水拭きも同時にできるAIスティック掃除機「追光」、市場拡大にらみ高級ブランド投入

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水拭きも同時にできるAIスティック掃除機「追光」、市場拡大にらみ高級ブランド投入

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人工知能(AI)を搭載した乾湿両用スティック掃除機を展開している中国のスタートアップ「追光(speedfox)」はこのほど、シリーズAで約1億元(約18億7000万円)を調達した。同国ネット大手、騰訊控股(テンセント)の投資子会社、騰訊投資などが出資した。調達した資金はイノベーション推進やスマートホームエコシステム構築に充てる。

今回の投資ラウンドでは、騰訊投資のほか、米ベンチャーキャピタル(VC)のセコイア・キャピタル、同・IDGキャピタル、同・5Yキャピタル、独メディア大手ベルテルスマン傘下のVC、ベルテルスマン・アジア・インベストメンツ(BAI)、中国VCの頭頭是道投資基金、同・険峰長青(K2VC)、同国投資ファンドの前海方舟資産管理なども参加した。

追光は2020年設立で、充電式コードレススティック型の家庭用掃除機が主力製品。従来の掃除機と異なり、1台でごみの吸引と乾拭き(モップ掛け)、水拭きの3役をこなす。静音性が高く、ローラーブラシにはセルフクリーニング機能が付いており、ボタンをオンにしておけば、ブラシの汚れをセンサーで自動検知して洗浄、においまで除去してくれるのが特徴だ。初の製品「Nano(ナノ)」は、21年の発売から1年未満で約1億5000万元(約28億円)を売り上げた。

「20年の新型コロナウイルス感染拡大以降、在宅時間が増えたことに伴い、家庭での掃除頻度も上がり、よりスマート性の高い清掃ソリューションが必要とされていることに気が付いた」。同社のツリー・ワン創業者兼最高経営責任者(CEO)は36Krに対し、創業の理由をこう説明した。

清掃家電(掃除機や清掃ロボットなど)は、供給側のイノベーションより、市場開拓が進む代表的なカテゴリーだ。この数年の床掃除機分野の急成長は、イノベーションと事業の大規模化が背景にあり、ロボット掃除機を主力とする「科沃斯機器人(エコバックス・ロボティクス)」や「石頭科技(ロボロック・テクノロジー)」といったブランドの勃興につながっている。業界調査を手掛ける奥維雲網のデータによると、21年の同国の清掃機器小売販売額(全小売り方式)は前年比28.9%増の309億元(約5770億円)だった。

過去2年の新型コロナウイルスの感染拡大を受け、中国では家庭での床清掃需要が高まった。特に掃除機は人気製品で、じゅうたん向けが成熟した海外とは違い、床素材に大理石やタイルが多用されている中国では、床拭き機能が重視されている。22年に中国の床洗浄機(乾湿両用掃除機を含む)市場は100億元(約1870億円)規模まで拡大するとみられている。

高価格帯ブランド「Zen」、独自技術に強み

こうした状況下で、追光は3月上旬、旗艦ブランド「Zen(ゼン)」シリーズを正式に発表。メタリックかつスタイリッシュな外観デザインという、ミニマルでクリーンな路線を目指した。本体も直径8センチ前後の円すい形で、一体感のあるデザインが目を引く。片手での握りやすさと操作性も大幅に向上させた。

中核技術では、「デュアルクリーン」と名付けた清掃システムを独自に開発・投入。床拭き習慣を分析し、清掃効率という核心的訴求に対応すべく、ローラーブラシを2本にし、洗浄力を2倍に高めた。

ツリー氏は新ブランドに関し、「ユーザーファーストのZenは『デュアルローラーブラシ』、『デュアルモーター』、『デュアル空調ダクト』、『デュアル通水路』を備え、本当の意味での『双方向性床洗浄』が可能となっている」と指摘。「清掃効率を大幅に向上させ、ユーザーの掃除体験を最適化していく」と強調した。追光によると、この種の機能を持つスティック掃除機は初めて。

(高性能できめ細かい機能を搭載している「Zen」)

サプライチェーンで見ると、追光は既に中国電子機器受託製造サービス(EMS)大手、立訊精密工業(ラックスシェア)など多くの中核サプライヤーと提携関係を築いている。

商用化では、21年の発売以来、国内と海外で同時に推進。ツリー氏によると、SNSなどを活用して消費者と直接つながるプライベート・ドメイン・トラフィック(私域流量)、ECチャネル、海外の店舗など、内外で販売網を構築している。ユーザーの多くは20代半ばから40代で、マタニティー・ママ層とペット愛好家を除くと、インテリア好きやギークも重要な市場だという。
追光の従業員数は現在100人超。中核チームのメンバーは業界の大手企業出身者で、それぞれ家電やスマートホーム、インターネット、ブランド海外展開などに長年携わった経歴を持つ。

ツリー氏は今後の見通しについて、「今回の資金調達以降も、技術・製品面の研究開発投資を拡大するほか、人員の増強、商用化と新製品の模索を加速していく」と説明。ユーザー・エコシステムの運用に照準を合わせていくとし、「清掃ツールにとどめず、スマートフォンのように、ユーザーとの緊密な連携を確立させていきたい」と語った。

(36KrJapan編集部)

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