奈雪の茶、21年は40%増収 店舗数800超え 今後も大都市圏での集中出店戦略

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奈雪の茶、21年は40%増収 店舗数800超え 今後も大都市圏での集中出店戦略

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中国のオリジナル茶飲料ブランド「奈雪の茶(NAYUKI)」が29日、2021年(1月〜12月)の決算を発表した。企業情報メディア「財経塗鴉」が報じた。奈雪の茶の株価は同日に1.46%上昇し、時価総額83億7000万香港ドル(約1300億円)で取引を終えた。

決算報告書によると、奈雪の茶の2021年の売上高は42億9600万元(約830億円)で、前年の30億5700万元(約590億円)から40.5%伸びた。調整後純損失は1億4500万元(約28億円)と赤字に転じた。前年の調整後純利益は1660万元(約3億円)だった。

奈雪の茶ブランド既存店の営業利益は5億9100万元(約114億円)で、前年の3億5100万元(約68億円)から68.4%伸び、営業利益率は14.5%だった。営業活動による現金収入は5億1000万元(約98億円)で、前年の5億7400万元(約110億円)から11.1%減少した。

メインブランド奈雪の茶の売上高は40億6700万元(約780億円)で、売上高全体の94.7%を占めた。より若い層をターゲットとしたサブブランド「台蓋(TaiGai)」の売上高は全体の3.3%だった。21年末時点で奈雪の茶は80都市に817店を出店しており、年間の新規出店数は326店だった。平均客単価は41.6元(約800円)で、前年の43元(約830円)から微減している。

登録会員数は21年末時点で前年比55.2%増の約4330万人で、アクティブ会員数は約700万人。アクティブ会員のリピート率は約35.3%だった。

奈雪の茶が取り扱う二大商品はティードリンクとソフトブレッドで、売上高の比率は21年も引き続き3対1だった。具体的にはティードリンクが31億8600万元(約610億円)で売上高の74.2%、ソフトブレッドが9億4000万元(約180億円)で21.9%だった。ティードリンクが売上高に占める割合は前年から1.8ポイント下がり、ソフトブレッドは0.1ポイント上がった。

販売形態別の売上高は、店内会計が11億4600万元(約220億円)で売上高の28.2%、ミニアプリ注文後の店頭受け取りが14億2200万元(約270億円)で35%、デリバリーが14億9800万元(約290億円)で36.8%だった。前年は店内会計が30.4%、ミニアプリ注文が37.7%、デリバリーが31.9%で、店内会計が2.2%減、ミニアプリ注文が2.7%減、デリバリーが4.9%増となった。

デリバリーの増加に伴って、配達サービス料の支出も増えている。21年、奈雪の茶が配達請負業者に支払った費用は2億5900万元(約50億円)で、売上高の約6%を占めるまでになっている。今後は店内会計やミニアプリ注文の比率を上げていくことが重要だ。

奈雪の茶の店舗は一級都市、新一級都市に集中しており、現段階では地方都市への拡大は計画しておらず、現在出店しているエリアでのドミナント戦略(集中出店戦略)を続けていく方針だ。現在、店舗の70%が一級都市、新一級都市、25%が二級都市にある。そのうち深圳市には75店、上海市には27店、広州市には19店が出店しており、1店舗あたりの販売額と営業利益率は深圳市が25万9000元(約500万円)で22.8%、上海市が18万8000元(約360万円)で12.7%、広州市が23万6000元(約450万円)で19.2%となっている。

奈雪の茶は決算書で、新しい市場に参入する場合、強いブランド力のおかげで出店場所周辺以外のエリアからも来店者が訪れるため初動の集客に成功し、より高い売上高も達成できていると説明する。しかし、出店密度が適正レベルに達するまでは、十分な密度がないためにユーザーの消費を習慣化させるのが難しく、店舗あたりの販売額は徐々に下がっていくという。また、事業を拡大し続けることで全店舗数に占める新規店の比率が高くなっていくと、当該市場にある既存店はスタッフの確保が必要となり、営業利益率が圧迫されることになる。

一方で、出店密度が高まればユーザーの消費習慣が形成され、さらには各市場が徐々に成熟へ向かっていくことに繋がると奈雪の茶は考えており、実際にこれが成り立つことは徐々に証明されてきている。コストコントロールを強化し、ティードリンクを自動で作る機械を導入していくことで収益力は回復し、さらに成長していくだろう。今年はさらに350店舗増やす計画だという。

出店計画を支えるのは潤沢な現金だ。奈雪の茶が保有する現金および現金同等物は21年末時点で40億5200万元(約780億円)にまで増えた。これは6月にグローバルオファリング(有価証券を世界市場で募集し、売り出すこと)を実施したことによる。また、有利子負債(当座借越その他を含む)は21年末時点で40万元(約770万円)だった。

材料費は売上高の32.6%を占める14億元(約270億円)。前年は11億5900万元(約220億円)だったが、売上高に占める割合は37.9%だった。人件費は売上高の33.2%を占める14億2400万元(約270億円)で前年の9億1900万元(約180億円)から増えた。

作者:WeChat公式アカウント「財経塗鴉(ID:caijingtuya)」、執筆:歩揺、編集:tuya
(翻訳:山下にか)

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