高性能SiC半導体の「利普思」が資金調達、車載用パワーモジュールの供給に本腰

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高性能SiC半導体の「利普思」が資金調達、車載用パワーモジュールの供給に本腰

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高性能のSiC(シリコンカーバイド)パワーモジュールを生産する「利普思半導体(Leapers Semiconductor)」がこのほど、シリーズA+で数千万元(数億円)を調達した。出資したのはSBチャイナベンチャーキャピタルと聯新資本(New Alliance Capital)。

2019年に設立された利普思は、高性能SiCおよびIGBT(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)パワーモジュールの開発、製造、販売を手がける。先端パッケージング材料と技術をベースに、コントローラーの小型化、軽量化、効率化を図るトータルソリューションを提供しており、新エネルギー車、水素自動車、太陽光発電などの分野で活用される。

今回の資金調達は、1億元(約19億円)近くを調達した昨年11月のシリーズAからわずか3カ月余り。共同創業者の丁烜明COOは投資家の支持を集めた理由として以下の3つを挙げた。

まず、事業の方向性だ。利普思が注力するSiCベースの第3世代半導体は、幅広い市場での活用が見込まれている。「SiC半導体市場は我々の予想より早く爆発的な成長を迎えた」と丁COOは語る。

次に高い技術力。SiCパワーモジュールは技術的難易度や価値の高さから、産業全体で非常に重要な役割を担っている。その中で利普思のコア技術が業界や顧客の支持を集めるようになってきた。例えば、同社のパワーモジュールはチップの接合に自社開発の特許技術「Arc Bonding」を採用している。これにより電流の均一性が向上し、パワーモジュールの電流容量、電力密度、信頼性を大幅に高められた。

そして市場の動向とも合致している。半導体産業の国産化という意識の高まりと共に、資本市場でも半導体材料からデバイスやモジュールへの投資に力点が置かれるようになってきた。チップ産業は設計から製造、検査に至る一連の周期が長く、投資規模も大きくなりがちだが、SiCベースのモジュールメーカーが川下産業で急成長を遂げているため、多くの投資家が投資効果のより早く表れるモジュール分野へと戦略をシフトしつつある。

近年、新エネルギー車や太陽光発電、産業用制御システムなどの発展に伴い、パワー半導体の需要も急増してきた。特にハイエンド市場では、コンパクトで効率・信頼性の高いSiCベースの第3世代半導体が強みを発揮しており、業界や資本市場の注目を集めるようになっている。

市場研究機関TrendForceは、SiC半導体の市場規模が2020年の6億8000万ドル(約840億円)から2025年には33億9000万ドル(約4200億円)に拡大し、年平均成長率(CAGR)は38%に達すると予測している。中国のパワー半導体市場は世界の3分の1以上を占めているものの、ハイエンド分野のパワーデバイスは国産化率が非常に低く、インフィニオン・テクノロジーズや三菱電機などの大手がシェアの大部分を握っている。

利普思は現在、SiCパワーモジュールとIGBTモジュールの二本柱で展開している。EV用充電スタンドや産業用インバーター、商用車などに使用されるIGBTモジュールと、電気大型トラックや商用の水素燃料電池車、太陽光発電に使われるSiCモジュールは2021年にすでに量産を開始した。

E2シリーズSiCパワーモジュール

2022年は乗用車を重点分野として市場展開を進める計画だ。海外ではすでに乗用車関連の取引先を開拓し、世界的な自動車メーカーからサンプルおよび小口の注文を取り付けた。同時に中国市場での事業展開とプロモーションも進めている。

創業者の梁小広CEOは三菱電機や米オン・セミコンダクター、独ZFフリードリヒスハーフェンなどでIGBTやSiCパワー半導体の開発に20年近く携わり、国際特許も多数取得している。日本にも開発チームを置き、三洋電機、三菱電機、東芝の出身者を含む30人ほどが在籍する。メンバーは半導体業界で平均20年以上の経験を持つベテランで、今年はさらなる増員を見込む。また欧州市場の積極的な開拓も進める方針で、今年中に欧州に新たな拠点を設立するという。
(翻訳・畠中裕子)

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