学生向けアルバイト情報アプリ「青団社」がアント・フィナンシャルから数十億円を調達

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学生向けアルバイト情報アプリ「青団社」がアント・フィナンシャルから数十億円を調達

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学生向けアルバイト求人情報アプリ「青団社(QTSHE.COM)」を運営する「弧途科技(Hutu Technology)」がシリーズB+で数億元(数十億円)を調達した。アリババグループ傘下の金融サービス「アント・フィナンシャル(螞蟻金服)」が主導し、オンライン教育の「好未来教育集団(TAL Education Group)」を母体に持つ「好未来産業基金(TAL Education Technology)」や「保利資本(Baoli Capital)」が出資者に名を連ねた。

青団社のサービス内容は、アルバイト求人を紹介する多くのサービスとほぼ同じ。求人企業が募集情報を掲載し、登録した学生が応募する。両者をプラットフォームが取り持ち、求人情報の内容確認や審査を行ったり、給与を支払ったりする。

学生向けに特化したサービスであることから、青団社は以下の2点で差別化を図っている。

■求人案件や企業を厳格に審査して、安全意識や権利意識が低い学生をリスクから守る。
■サンプリングやキャッシャーなどの一般的な業務以外に、「旅行ボランティア」や「1日CEO」などユニークなアルバイトも紹介する。

多くの学生にとってアルバイトは切迫した必要があるものではなく、収入だけが目的でもない。そこで、実用性を求める一般の求人プラットフォームとは異なり、ユニークな案件を呼び水として登録人材の定着率を高めたり、情報を拡散させたりしながら、ボリュームゾーンの案件で多くの求職者の需要に応える。同時に、多種多様な案件を取り揃えてニッチな需要も満足させるのだ。

創業者の鄧建波氏は同プラットフォーム構築にあたって、メディア型Eコマースを参考にしたと述べている。

アルバイトへの報酬支払いには独自のポイント累積制度も設けており、求人掲載企業の25%が同システムを利用して給与支給を行っているという。貯まったポイントは現金やギフトと交換したり、寄付したりできる。

収益は、求人掲載企業から応募1件につき5元(約80円)を徴収している。応募を受け付けてからの採用業務は各企業が行い、プラットフォームは関与しないため、運営負荷は人材派遣企業と比較して軽く、利用料も10分の1程度に抑えられているという。また、求人企業自身も採用過程や就業環境を改善することでミスマッチングを回避し、紹介コストの削減や成約率の向上につなげ、ユーザー体験もより良いものになる。

これまでに青団社を利用した企業は10万社、登録人材は600万人を超えている。昨年、同プラットフォームで実際に求職活動を行ったユーザーは約320万人で、大学生が65%を占めた。応募件数は年間のべ3400万件、アクティブユーザーの平均利用時間は1日12分だ。ユーザーは主にSNS内のレコメンドや、アリババのモバイル決済サービス「支付宝(アリペイ)」内の学生向けサービス経由で獲得している。アリペイのミニプログラムも同社が成長を期待するチャネルの一つだ。

企業と人材のマッチングは地域に紐づいているので、同社は都市単位で事業を展開している。まずは杭州市からスタートして、同市内の事業を軌道に乗せてから、上海、寧波、北京、広州と順に進出してきた。これらの都市は学生人口が比較的多く、多くの企業が支社を置く土地柄だ。

今回の出資者アント・フィナンシャルが提供する信用評価システム「芝麻信用(セサミ・クレジット)」をはじめ、アリババのエコシステムが擁する法人顧客の存在も青団社にプラスに働くだろう。求人企業向けには、アリババのオフィスツール「釘釘(Ding Talk)」のミニプログラムも間もなくリリースするという。

企業が求める人材が多様化し、求職者の心理も変化する中で、青団社が提供するフレキシブルな雇用形態は、労働市場で重要な存在となる可能性がある。高度なスキルが求められる職種でも、こうした雇用形態が広がるかもしれない。青団社では今後、市場でのシェアを安定させていくと同時に、社会人向けサービスの展開も視野に入れている。現在の学生ユーザーが社会人向けサービスのユーザーになる可能性があるからだ。
(翻訳・愛玉)

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