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中国のEC大手「京東集団(JDドットコム)」がファッション、ライフスタイル、コスメ、スポーツ、ラグジュアリーなどの商品カテゴリーを統合し、既存のファッション・ライフスタイル事業を「京東新百貨(The J Shop)」事業にアップグレードさせたことがわかった。JD.comのアプリにも新メニュー「新百貨」が設けられている。
京東新百貨は中国国内の複数の主要都市でそれぞれ異なるコンセプトのセレクトショップも展開する。JD.comの設立記念日6月18日までに北京、成都、西安などで開店する見込みだ。
京東新百貨は昨年末に立案されて以来、社内で重要視されてきた事業プロジェクトだ。関係者によると、JD.comにとって今年の目玉プロジェクトの一つだという。
単純に複数の商品カテゴリーをまとめるのとは異なり、京東新百貨に出品された商品や出品元のブランドにはより厳格な条件が求められる。上記の関係者は「オンラインで出品を許可された商品は今後、実店舗にも並ぶようになる」としている。アプリから「新百貨」を開くと「オーダーメイド」「トップブランドからのレコメンド」「注目の新商品」などのコーナーが設けられ、新百貨の事業方針が商品の厳選にあることが伺える。
JD.comのライバルであるアリババが自社プラットフォームへの出店業者に対して競合他社への出店をしないよう求める「二選一(二者択一)」が廃止されてから、JD.comに出店する業者が急増した。取扱商品も豊富になり、ファッション・ライフスタイル事業の今回のアップグレードにはずみをつけている。
JD.comの決算報告書によると、同社のメインサイト(jd.com)への出店業者数は昨年第3四半期に同上半期の合計の3倍になっている。うちファッション・ライフスタイルカテゴリーで新規出店数の伸びが最も大きかった。年間最大のネット通販キャンペーン「ダブルイレブン(双十一)」の開催期間には前年同期比15倍ものファッション系の新商品が出品され、ルイ・ヴィトンやブルガリ、エスティーローダーなど多くの世界的なブランドもさまざまな形式でJD.comに出店したり提携したりした。
36Krが収集したJD.comの複数の議事録の要約によると、JD.comは客単価が比較的高く、またJD.comが徴収する手数料率が比較的低いことから、出店業者にとっては最も利益率の高いオンラインプラットフォームとなっている。
京東新百貨事業が実店舗を出すことは予想外の展開だ。出店を決めるまで社内では調査・検討を重ねたといい、関係者は「多くの人は街に出てショッピングをしたいという強い欲求を持っている。反面、不況の現在は出店コストも下がっているため、参入には絶好のタイミングだ。JD.comのブランド力をもってすれば、入居する商業施設にとっても集客コストを軽減できるメリットがある」と述べる。
京東新百貨事業の立ち上げは現在の消費トレンドにもかなっている。需要は商品単体に対するものから商品やサービスを含めた複合的なものに移り変わっている。複数のシナリオを組み合わせることでより多くの集客が望め、新たな事業成長を牽引する可能性がある。
京東新百貨の立ち上げによって、JD.comは小売りの三大事業グループすべてで実店舗を有することになった。3C電子機器(コンピューター・通信機器・消費者向け電子機器)事業グループは各都市でさまざまな業態の家電販売店を出しており、スーパーマーケット・オムニチャネル事業グループは「7FRESH」など多業態のスーパーマーケットを展開している。
(翻訳・山下にか)
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