「頭条圏子(Toutiaoグループ)」は「今日頭条(Toutiao)」のトラフィックの天井を突破できるか

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パーソナライズ化からソーシャル化へと変化しつつあるニュースアプリ「今日頭条(Toutiao)」がファンアカウントのエコシステム構築への挑戦を再始動した。

最近、頭条号(認証アカウント)コミュニティである「頭条圏子(頭条コミュニティ)」が正式にローンチされた。頭条の紹介によれば、頭条圏子はコンテンツ創作者向けであり、ファンとの深い交流、インタラクティブ活動、マーケティング、マネタイズの実現に使用するツールだ。現在当該機能は限定された範囲内でテスト中だが、将来は優良創作者に開放する。

トラフィック-ファン-課金ユーザー

7年間、「今日頭条」はアルゴリズムによるユーザーの趣味志向に合わせたコンテンツを自動的に配信するという方法で、コンテンツ集約アプリ分野に風穴を開けた。コンテンツの収集方式を変革させただけでなく、「今日頭条」はプラットフォームに巨大なトラフィックプールを築いた。

モバイルインターネット専門市場調査会社QuestMobileのデータによれば、2018年12月現在、今日頭条アプリは2.39億の月間アクティブユーザー(MAU)を擁しているが、これはMAU2.88億に上る「騰訊新聞(テンセントニュース)」に次ぐ規模であり、しかも「新浪(Sina)」、「網易(ネットイース)」、「捜狐(Sohu)」、「鳳凰(ifeng.com)」などの老舗ポータルをはるかに凌いでいる。またプラットフォームにおける頭条号(アカウント)は2015年9月の3.5万個から2018年3月の150万個にまで増加している。

総合情報分野のトップアプリとなっているにもかかわらず、今日頭条はユーザー数の伸び悩みに直面している。
「創作者大会」から2018年に改名された「生機大会」において、頭条の新CEO陳林氏は、将来、プラットフォームはファンアカウントのエコシステムを深く掘りさげ、商品、頭条小店(ショップ)、課金コンテンツ、ライブ配信等の方法で創作者がマネタイズできるようにサポートすると述べた。

頭条圏子が頭条に与える影響

まず、頭条のサイトにより多くのトラフィックをもたらしてファンの滞在時間、密着性を高めることができる。圏子が形成されれば、頭条はユーザーにアルゴリズムパーソナライズという方法を通じて各ユーザーの志向に合った圏子を推薦することができる。そして創作者はより早く自分の圏子運営を始められ、ひいてはユーザーを自らに引きつけることができる。

Wechatグループは500人に制限されているが、圏子における人数の上限はそれより高い。例えば、頭条圏子が公式にオープンした「頭条圏子学院」は現在すでに811人がトピックに参加している。このような大きな圏子が次々と形成されれば、頭条のマーケティングにも多くの可能性を提供することになる。

次に、コンテンツのマネタイズに役立つ。頭条の説明によると、頭条圏子は知識コミュニティとしての位置づけであるが、課金機能により創作者のマネタイズ選択肢が増える。それによって、一方では良質な創作者エコシステムを守ることができ、もう一方では頭条におけるコンテンツ課金、コンテンツの電子商取引等のマネタイズ潜在力の開発にも役立つ。

頭条のソーシャル化野心は実現できるか

頭条圏子の機能はローンチしてからまだ3か月に満たないため、様々なトピックについての交流によりファンをうまく引き付けられるか、その後のマネタイズの実現にもつながるか否かは未だ未知数だ。

現在頭条プラットフォームにおける優良創作者は、まだファンを引き付ける力が不十分なため、頭条がは一部の特化した分野に力を入れても良いだろう。

本質的に、頭条は圏子を通してWechatアカウント体系に形成されたファングループを奪取しようとするものだ。しかし圏子を運営するコストは高すぎると考える人もいる。

さらに、頭条圏子は知識コミュニティを構築しようとしているが、頭条のユーザーイメージが「知識コミュニティ」というコンセプトにマッチするとは限らない。頭条は若く、低学歴、低所得の男性ユーザーがメインだ。総合的に見て頭条圏子の課金コンテンツの客単価と売上高はそれほど理想的なものとはならないだろう。

この他、圏子におけるコンテンツの健全性をどのように保証するかということも難点の一つだ。以前、知識コミュニティにおけるツール「小密圏」が低俗なコンテンツを発表したことによりサービスは中止に追い込まれている。
トラフィックがより細分化されている現在「B站(ビリビリ動画)」、「虎扑(hupu)」、「小紅書(Red)」等の多様な専門的コミュニティが次々と登場している。頭条圏子が成功するかどうかに関わらず、登場圏子はその登場により新たなコミュニティの可能性を示唆している。
(翻訳・桃紅柳緑)

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