インテリアデザイナー向けサービスを手がける「設易科技」、ニッチ市場に照準

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インテリアデザイナー向けサービスを手がける「設易科技」、ニッチ市場に照準

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近年、1980年代から90年代生まれの世代が消費の中心を担うようになり、消費行動に変化が見られるようになってきた。住宅内装の分野でも、消費の階層化がますます進んでいる。徹底的にコストパフォーマンスを追求する消費者が市場に溢れている一方で、個性やデザイン性を重視する消費者が増加してきたのだ。

コストパフォーマンスを重視する消費者を取り込もうと、大量供給により客単価を20~30万元(約332~500万円)に抑えた、統一規格の内装プランが市場に多く出回るようになった。同時に、デザイン指向の市場も成長している。ミドル~ハイエンド市場向けのフリーランスデザイナーは増加しており、デザイナー主導で行う内装の客単価は約100万元(約1660万円)だという。

しかし、フリーランスデザイナーは集客力やブランド、サプライチェーンなどにおいて大企業にかなわない。デザイナー同士で共有できる素材を提供するサイトや専門のデザインツールも必要とされている。

元デザイナーの陸晏氏が2008年に設立した「設易網絡科技(Sheyi network technology)」では、フリーランスデザイナー向けにインテリアデザインのサービスプラットフォームを提供する。主要サービスはオリジナル素材を扱うポータルサイト「建E室内設計網(justeasy.cn)」、学習サービスを提供する「設易学院」、アプリ「設計頭条」の3つだ。それぞれのユーザーは累計200万人に上り、その半分以上がフリーランスデザイナーだという。

同社はデザイン素材やCG、VRなど専門ツールによる作業補助、デザイナーの知識習得の援助、ブランドや集客フローのPR、サプライチェーンのバックアップという4つの分野で実際的なサポートを提供している。

設易科技のこれまでの成長は3つの段階に分けられる。
1)建E室内設計網を主体として、オープンな有料素材プラットフォームや設計ツールを提供する。収益源は会費で、客単価は約200元(約3320円)。現在、プラットフォームの登録ユーザーは100万人を超え、訪問者数は50万人に上る。

2)設計頭条と設易学院を主体として、研修や集客、ブランドPRなどのサービスを提供する。収益源はサービス料。設計頭条アプリはダウンロード数が約100万件で、DAU(デイリーアクティブユーザー)は2万人に上るという。設易学院はこれまで50万人を育成しており、オフラインでの受講者は5000人以上。セミナーの客単価は約3000元(約5万円)。

3)サプライチェーンブランドと連携し、インテリア関連産業全体に関するサービスを提供する。現在はサービス提供に向けた準備段階にあり、そのために同社は新たな資金調達を計画している。

インテリア関連のベンチャープロジェクトの中で、デザイナー向けのサービスを切り口にしたものは珍しい。消費者に「デザインに金を払う」という意識が低いことや、一部の内装業者が意図的にデザイン効果を弱めていることが関係しているものと思われる。しかし裏を返せば、1000億元(約1兆6600億円)以上(設易科技の年間サービス数に客単価をかけて算出)の規模を持つニッチ市場が存在しているということだ。海外でも、有料デザインプランからサプライチェーンサービスに切り込んだ米「Houzz」や英「Clippings」などがあり、ClippingsはシリーズBで1540万ドル(約17億1600万円)を調達している。

デザイナーとして10年の経験を持つ創業者の陸晏氏はロンドン・メトロポリタン大学で研鑚を積んだ後、帰国して設易科技を立ち上げた。現在、同社は黒字に転じており、過去5年間の業務量は毎年約80%のペースで増加している。2016年に「魔豆工坊(Magic Beans Workshop)」からエンジェル投資を受けており、現在は新たな資金調達を開始している。
(翻訳・畠中裕子)

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