価格20万円台の折り畳みスマホ、値下がり実現する2020~2022年に販売増の見通し

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価格20万円台の折り畳みスマホ、値下がり実現する2020~2022年に販売増の見通し

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世界最大級のモバイル見本市「モバイル・ワールド・コングレス(MWC)」で今年の話題をさらった「折り畳み式スマートフォン」。サムスン、ファーウェイなど世界大手のメーカーが続々と製品を発表した。

折り畳みスマホの潜在力については、中国で複数の証券会社が「長期的に見て楽観的」としている。

「海通証券(HAITON SECURITIES)」は、折り畳みスマホを「大きなディスプレイと持ち運びの便利さを兼ね備える」と評価。次世代スマホの重要な位置を占めるとした。

現在、全画面スマホの主流製品はディスプレイ占有率がいずれも90%を超えており、これ以上の大型ディスプレイを実現するには、スマホ本体そのもののサイズを大きくしないとならない状況だ。かといって、これ以上大きくすれば携帯性を損なう。この矛盾の解決策として、「折り畳み式」は一つの方向性を示した。

同じく、「天風証券(TF SECURITIES)」も折り畳みスマホを高く評価しており、「市場は折り畳みスマホの革新性を過小評価している」としている。折り畳みディスプレイはタッチパネルの登場と同等の影響力を有し、マンマシンインターフェースの効率(マルチタスクの進行、出入力の並行など)を飛躍的に向上させるだろうと分析。スマートフォンは単なるコミュニケーション媒体から、ビジネス媒体に進化するとみている。

英調査会社「HISマークイット」の推算によると、折り畳みスマホの出荷量は2025年に5000万台に達し、年平均成長率は80%に上るという。

ただし、第1世代機は非常に高価だ。ファーウェイ「Mate X」は2299ユーロ(約29万円)、サムスン「Galaxy Fold」は最低1980ドル(約22万円)からとなっており、今年の売れ行きはさほど期待できない。高額の背景には、サプライチェーンが未熟なため、歩留まり率が低いことがある。

現在、第6世代有機EL7.3インチディスプレイの生産コストは量産時でも約180ドル(約2万円)だが、ディスプレイ業界専門調査会社「DSCC」は、2022年には90ドル(約1万円)にまで削減できると推算する。これが実現すれば、端末価格も下がり、売れ行きが大幅に伸びる可能性がある。

「国海証券(SEALAND SECURITIES)」は、「しかるべき条件が整えば、折り畳み式スマホは市場の主流製品になる」と推測する。2020~2021年には相応の価格に落ち着き、Galaxy Foldはサムスンにとっての強力な武器になるとみる。

折り畳みディスプレイの登場は、周辺の産業チェーン再編の契機にもなる。

特に大きな変化が起きるのは素材だ。正確に動作し、かつ20万回の開閉に耐える折り畳みディスプレイを実現するためには機械構造から再構築する必要があり、その素材として、柔軟性に富む筐体、ヒンジ(蝶番)、機能性フィルム、偏光板、COF(Chip on Film)などが揃わなければならない。

中国の投資銀行「中金公司(CICC)」は、「折り畳みスマホはパネル業界の成長を大きくけん引する」と見込む。発光材料の需要増も予想されるが、「申万宏源(SHENWAN HONGYUAN SECURITIES)」は、有機ELパネルや端末向け発光材料に関する特許は海外企業による独占状態で、多くの国内企業は中間体などの材料生産にとどまっていると指摘する。ただし、液晶パネル世界最大手の「京東方科技集団(BOEテクノロジー・グループ)」が有機ELディスプレイの製造に乗り出しており、2023年には中国企業による有機ELパネルのシェアが40%に迫るのではないかとHISマークイットは予測している。

また、ヒンジも折り畳みディスプレイの核心を握るパーツだ。ファーウェイが発表した「Mate X」は山折りディスプレイを採用しているが、ヒンジの開発に3年を要し、内部部品は100点にも及ぶという。「財通証券(CAITONG SECURITIES)」によると、ヒンジの製造は中国国内の産業チェーンでまかなえるため、折り畳みスマートフォンの出荷量が増加すれば十分に利益を享受できる可能性があるという。
(翻訳・愛玉)

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