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中国のスマートフォンブランド「Honor(栄耀)」の趙明・最高経営責任者(CEO)は7月22日、中国メディアの取材に応じ、「当社のチームはインドから撤退した。今後はより確実な方法でインド市場を開拓する。インド市場では現在、パートナー企業と進めている関連事業を一部存続させている」と述べた。
Honorはこの発言について、「インドでの事業は現在も継続しており、今後も発展させていく」と補足し、「当社がインド市場からの撤退を正式に発表したという報道は不正確だ」と説明した。
とはいえ、インドにおける中国企業のビジネス環境が悪化の一途をたどっていることは否定できない。2022年に入ってからは、スマホメーカーの小米(シャオミ)やvivo、OPPOが相次いでインド当局捜査の対象となっている。
シャオミのインド子会社は1月、輸入関税を過少申告したとして追徴課税8800万ドル(約120億円)を課された。4月には外国為替法違反で摘発され、5月には不適切な資金移動をしたとして、金融犯罪対策機関である執行局(ED)により現金7億2500万ドル(約1000億円)を差し押さえられた。
7月にはvivoとOPPOも家宅捜索を受け、同じく脱税で摘発された。OPPOは関税5億5100万ドル(約760億円)の未納を指摘され、vivoは6000万ドル(約80億円)と金塊2キロを差し押さえられた。
中国企業とインドの蜜月期は、20年には終焉の兆しを見せ始めていた。インド政府は同年6月29日、セキュリティ上の脅威を理由に、バイトダンス傘下の動画投稿プラットフォーム「TikTok」や、テンセントが運営するSNSアプリ「微信(WeChat)」など、中国企業が開発・運営する59のアプリを禁止した。禁止されたアプリはその後300以上に増え、TikTokやテンセントのゲーム「PUBG Mobile」など57のアプリは永久に禁止された。
人口が多く、フィーチャーフォンからスマートフォンへの移行期にあるインドが持つ潜在力は、誰の目にも明らかだ。インド市場はここ数年で、中国スマホメーカーにとって最大の市場に成長した。
シャオミ、vivo、OPPO、そして「realme(リアルミー)」のスマホは現在、インドにおけるスマホ出荷台数の8割以上を占めており、中国企業が建設した工場は多くの雇用と大きな税収を生み出している。
(36Kr Japan編集部)
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