企業が人材を選ぶ時代から、口説く時代へ。日中ビジネスで大切なのは「人」と言い切る「JaU」の想い

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日中クロスボーダーのコンサルティング事業とインターネットサービス基盤事業を手がける株式会社クララオンラインは、2021年に日本と中国のビジネス人材に特化した即戦力転職スカウトサービス「JaU(ジャーヨウ)」の展開を始めた。

なぜいまになって、すでに競争が激しい人材業界に進出を決意したのか。36Kr Japanの取材に対して、同社取締役コンサルティング事業部長の秀山氏は以下のように答えた。同氏によると、そのきっかけは、日中ビジネスコンサルティングを長年行う中で、企業を取り巻く市場環境と企業課題の変化を目の当たりにしてきたことだという。

まず、中国市場の急速な発展により、両国の技術やサービスのコモディティ化が加速した現状において、競争力のある新たな技術やサービスを創り出すには、優秀な人材の採用こそが企業における本質的な差別化、国際競争力につながると同氏は断言する。

次に、日本に進出している中国企業が年々増加している点。例えば、ファーウェイ、アリババクラウド、BYDやバイトダンス(TikTok)などは、競争も激しいが、待遇面では圧倒的に日本企業よりも良い。優秀な人材がグローバルで活躍したいと考えたときに、欧米企業に加えて、中国企業にもチャレンジしたいと考える日本人が増えている。

最後に、日本の社会問題でもある労働力人口の減少が進むなか、企業はこれまで以上に外国人人材とともに発展していくことが不可逆的に求められている。このような社会の変化と企業課題に対して、クララオンラインが長年培ってきたコンサルティングサービスのノウハウと自社採用で得たナレッジを、日本と中国の人材領域に活かすことでより高い価値を提供できると考えた。

JaUを運営するクララオンライン 取締役 コンサルティング事業部長の秀山 斌氏

「日中ビジネスを加速成長させるという我々のミッションを実現するには、人材領域にフォーカスする必要があると考え、日中ビジネス人材に特化したJaUに本格的に取り組むようになった。」と秀山氏は語る。

受け身の採用から、攻めの採用へ ダイレクトスカウト型

一方、人材サービスは既に数多くある中で、後発であるJaUの魅力や強みは、一体なんだろうか。

「時代は変わりました。企業は入りたい人材を選ぶ時代から、採りたい人材を口説く時代になった」と秀山氏は説明する。「受け身」の採用から、「攻め」の採用をしなければならない新しい世の中の変化を受けつつ、JaUは日中ビジネスの知識・経験や語学力を強みとする人材を対象に、企業が直接スカウトできる仕組みを打ち出した。

「応募がくるまで待つのではなく、日中ビジネスに関わりたい人材の母集団のなかで要件に合った候補者に声をかけていける。だからこそ、日中ビジネスに関わる仕事をしたい候補者と、人材を求める企業側とのマッチング率は非常に高い。」と秀山氏は語る。

また、プラットフォームを運営しているので、いわゆる「データドリブン」の手法で採用の精度を上げることができ、データに基づいたソリューションを提供できる。さらに、日中ビジネス人材に特化した機能も充実している。

例えば、職務経歴書だけでは分からなかった候補者のスキルをよりわかりやすくするため、スキルを自由に登録できる機能を開発した。そうすることで、候補者がこれまでに何に関わったのかだけでなく、何ができるのかが一目瞭然になるという。

そして、開発予定の言語診断機能では、履歴書や面接だけでは判断しにくい実践レベルの語学能力をはかることができる。今後も候補者と企業の課題に合わせたコンテンツや機能の提供が予定されており、候補者の実力がよりクリアとなり、ミスマッチの低減を目指す。

コロナと円安でダブルパンチ?日中ビジネスのこれから

上海でコロナの感染拡大によるロックダウンが続いた影響で、身動きが取れなくなった企業も多く、また円安が急激に進んだことで日中ビジネスを取り巻く環境は決してポジティブではない。

しかし、この逆境を逆手に取り、企業側は新たな状況に合う新スタイルを確立できるチャンスでもあることから、「事業」を創り出す人材や「国境」をクロスボーダーする人材がますます貴重な存在となってくる。「会社は人で変わる」がいままで以上に意識されるだろうと考えられる。

JaUは、現在4000名程度の登録者数がおり、中国語が母語の登録者数は62%なのに対して、日本語が母語の登録者数が38%となっている。また、早い人で会員登録から29営業日で内定につながることもあるという。

企業と候補者と共に発展していこう!という想いを込めて「加油(ジャーヨウ):中国語で”頑張ろう”」

同社は、「日中ビジネスに携わりたい」(個人)、「日中ビジネス人材にアプローチしたい」(企業)と考えたときに、最初にJaUのことを思い浮かべてもらうことが目標だ。日中ビジネスに携わりたい候補者のキャリアを支援し、人材採用を通して企業のビジネス成長を後押ししていきたいと志高く語ってくれた。

36Kr Japan編集部)

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