アリババが「愛康国賓」を買収 医療ビジネスを本格化か

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アリババが「愛康国賓」を買収 医療ビジネスを本格化か

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調査会社「天眼査(Tianyancha)」のデータによると、3月11日、健康診断事業を展開する「愛康国賓健康管理集団(iKang Healthcare Group)」は、アリババ、大手EC「蘇寧易購 (Suning.com) 」、投資会社「雲峰基金(Yunfeng Capital)」、「博裕資本(Boyu Capital Advisory Company)」の買収により、資金調達を完了した。具体的な投資金額は明らかにされていないが、以前の報道では約20億ドル(約2200億円)とされていた。

愛康国賓の過去の資金調達

主に健康診断と医療サービスを提供する愛康国賓は、市場参入が早く巨大な需要の受け皿となったためにその成長性を高く買われ、米国のゴールドマンサックスやMatrix Partners、アリババなど多くの投資機関や企業からの投資を受け、中国の三大民間健診企業の一つとなった。

2014年、愛康国賓は米NASDAQに上場したが、米国では評価額が低く、中国A株市場への上場しなおしを模索するようになった。 2015年、同社は正式に上場廃止を決めたがそのプロセスには長い時間を要し、2019年1月18日にようやく手続きが完了した。この間、上場廃止とライバル「美年大健康(Meinian Onehealth Healthcare)」との競争の影響で、同社の業績は苦しい状況に陥っていた。その結果、愛康国賓は業界トップの地位から転落しただけでなく、2年連続で赤字となり、A株市場への上場は不可能になった。

さらに大きな問題は、業界の混乱だ。 2018年12月、愛康国賓の董事長兼CEOの張黎剛氏は、健康診断業界のずさんな管理状況を暴露し、美年大健康をやり玉に挙げたのではないかと世論を騒がせた。

このように厄介な問題を抱える愛康国賓だが、今回投資した企業は、アリババを始めとして、全てアリババ系列または出資関係のある企業だ。アリババの投資は明確な戦略のもとに行われている。

愛康国賓などの民間健康診断機関は、大量の患者を集められるオフラインの入り口と、完全にクローズドの健康診断のビッグデータ、安定したキャッシュフローと医療機関免許を持っている。医療市場が民間企業に開放されれば、愛康国賓や美年大健康は中国最大の医療機関チェーンになるだろう。つまり、アリババは愛康国賓の買収によって、医療ビジネスにおける重要な戦略的資産を取得したことになる。さらに、愛康国賓は健康診断の前後に連なる関連サービスにも強みを持っており、アリババには医療系Eコマースや健康管理などでもビジネスチャンスが見込める。

アリババの創業者、馬雲(ジャック・マー)氏は何年も前に、「健康と幸福」にフォーカスする「2H戦略」を発表した。しかしこれまで、アリババの医療分野への投資は非常に慎重なものだった。 今回の巨額の買収は、アリババの医療ビジネスへの本格進出を示唆するものかもしれない。
(翻訳・神江乃緒)

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