コロナ禍の中国、メタバースで大学生活。リアルより高い学習効果も

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中国の大学は2022年6月、いつもと違う学年末を迎えた。新型コロナウイルスの再流行などさまざまな事情が重なり、多くの学生が卒業式に出席できなくなったのだ。一部のキャンパスでは依然として封鎖管理が続いていたこともあり、ネット上では、各地の大学がオンラインで開催した「クラウド卒業式」や「メタバース修了式」が注目を集めた。

ひときわ大きな話題を呼んだのが、上海大学美術学院の蒋飛教授と学生たちが作り上げたメタバース上のキャンパス「上大元宇宙(SHU Metaverse)」で行われた卒業イベントだった。(訳注:上大とSHUは上海大学の略称)

今年4月に完成した上大元宇宙は、同美術学院のある宝山キャンパスの風景や建物を細部まで再現し、ビジュアルデザインやインタラクティブ機能はもちろん、アバターの動きまで丁寧に作り込まれている。

上大元宇宙は、ユーザーがコンテンツを制作できるメタバースプラットフォーム「重啓世界(REWORLD)」上に構築された。重啓世界は、モバイルゲーム開発で知られる「代碼乾坤科技(Code View Technology)」によるプラットフォームで、独自の物理演算エンジンを用いてローコードまたはノーコードで3Dアプリを手軽に開発できる。一般のユーザーでも、実際の空間をメタバース上に再現できる上、自由度の高いデザインも可能となっている。

メタバースプラットフォーム「重啓世界」の編集画面

上海大学美術学院では、22年3月末からキャンパスの封鎖管理が始まり、教員も学生も教室に入ることすらできなくなった。蒋教授は当時を振り返り、「メタバースプラットフォームを利用し、単に講義が受けられるだけでなく、教員や学生が交流してストレスを軽減できるようなバーチャルキャンパスを作り上げたかった」とした上で、「5月から全てのカリキュラムをメタバース上に移動させたところ、多くの学生から前向きな反応が寄せられた。講義中の学習効果やコミュニケーションの様子、課題への取り組み方などを見ても、実際の教室よりも高い効果が得られている」と説明した。

上大元宇宙で可能になったのは講義だけでなない。5月には、スライドに表示されるテーマに合わせて即興でプレゼンテーションを披露する「パワポカラオケ大会」が開催された。6月に開かれた修士論文の審査会では2人の学生が合格し、卒業シーズンのイベントもメタバースの中で行われた。蒋教授は「引き続きメタバースの中でできることを探っていく」と述べた。

上大元宇宙の基盤となっている重啓世界の公式サイトによると、同プラットフォームにはすでに1万種類以上のデジタルコンテンツがアップロードされているという。

(36Kr Japan編集部)

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