中国自動車大手三社+アリババ、テンセント+蘇寧が合弁会社=打倒「滴滴」?

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3月22日、「中国第一汽車集団(China FAW Group)」、「東風汽車集団(Dongfeng Mortor Group)」、「長安汽車(Changan Automobile)」ら中国の自動車大手3社は、騰訊(テンセント)、アリババ、家電量販大手の「蘇寧易購集団(SUNING)」と共同で97億6000万元(約1620億円)を出資し、合弁会社を設立することで合意した。合弁会社設立後、新エネルギー車を中心としたライドシェア事業への投資を行い、ライドシェア会社を立ち上げるとしている。

公開資料によると、この合弁会社の名前は「南京領行股権投資合夥企業」。出資額が最も多いのは蘇寧で、17.42%にあたる17億元(約280億円)。第一汽車、東風汽車、長安汽車はそれぞれ16.39%にあたる16億元(約270億円)を出資し、残りをテンセント、アリババなど7社が出資する。

家電小売りの蘇寧がライドシェア会社に出資するのはなぜか。国営自動車メーカー3社と組むのは何を意味するのか。筆頭株主として、株主名簿の中でアリババとテンセントをどのように平和的に扱っていくのか。この会社はライドシェア市場の様相を一変させるだろうか。疑問が次々に浮かぶ。

蘇寧、アリババ、テンセントそれぞれの役割

国営自動車メーカー3社は「ナショナルチーム」として、自動車業界のみならず、政策や営業許可証などの面でも強みがある。テンセント、アリババは資本面での強みがあるだけでなく、中国最大規模のインターネット企業として、既存の自動車企業が手薄な集客面を補うことができる。ではなぜ蘇寧が筆頭株主になるのか。

蘇寧は当初、自動車販売だけを想定していた。2017年、自動車販売店の「蘇寧易購汽車超市(Suning Automobile Supermarket)」をお膝元の江蘇省南京市でオープンさせ、直後に完成車、並行輸入車、中古車、自動車金融、アフターサービスを手がける「蘇寧汽車(car.suning.com)」を設立した。だが、近年はさらなる模索に乗り出し、昨年の時点でライドシェア事業を検討する方針を明らかにしていた。

同社にとって、この「ナショナルチーム」の筆頭株主になれるということが最善の選択であることは間違いない。ただし、同社には合弁会社の本社を置く南京での経営資源確保よりも、合弁会社の経営資源調整役になることの方が多く求められるだろう。

一方、アリババとテンセントにとって、今回の投資への参加は一種の意思表示のようなものだ。長安汽車のリリースでは両社の出資額は明らかにされていないが、その他数社で22億5000万元(約370億円)という金額から考えても、両社にとっては大金ではない。ひょっとすると、両社は今回の出資を口実に、営業許可証や政策面で一定の支援と肩入れが得られると期待しているのかもしれない。

先行きには懸念も

今回の件は大きな話題となった。配車サービス最大手「滴滴出行(Didi Chuxing)」の独壇場が長年続いていたが、業界の構図に変化の兆しが見えてきたからだ。

「インターネット配車サービスの新たな規制が施行されたこと、滴滴のドライバーによる乗客殺害事件が相次いだことなどを受け、滴滴の業界での地位が揺らいでいる」。独立系アナリストの唐欣氏はこのように語り、同社が財務面での逼迫を受けてドライバーへの補助金を打ち切ったことで、ライバルに最良の参入チャンスを与えたとの見方を示した。

インターネット企業によって打撃を受けたライドシェア業界は、老舗自動車企業が参入することで持ち直せるだろうか。先行きには懸念も多い。

合弁会社が設立されても、自動車大手3社をスムーズにライドシェア企業に変えることはできないだろう。彼らはライドシェア事業を通じて経営上の弱点を補いたいとしているが、今のやり方や公開情報を見る限り、新合弁会社は企業体制からかけ離れており、期待されている働きは発揮できないと思われる。

蘇寧が主導権を握るとなると、それも大きな問題になる。自動車大手3社と同じく、同社もインターネット時代に取り残された一人だ。インターネットの概念が薄い企業がライドシェア企業を設立するということは未知の挑戦だと言える。

株式市場では「ライドシェア」そのものが非常に高く評価されている。リリースの発表当日、長安汽車と東風汽車の株価はすぐにストップ高となった。合弁会社の設立は長い道のりの最初の一歩に過ぎないが、事業が展開できなければ、ビジネスモデルの転換を迫られる自動車大手3社と蘇寧にとって何の意味もなさないだろう。
(翻訳・池田晃子)

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