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レンジエクステンダーEVを開発・製造する「理想智造(LEADING IDEAL)」が、初の製品となるSUV「理想智造ONE」の販売価格を発表した。同ブランドを運営する「車和家信息技術(CHJオートモーティブ)」創業者の李想氏は、「20年間の起業人生で、今日が最も緊張する日だ」と感慨を見せた。
販売価格は、政府によるEV購入補助金を差し引いて32万8000元(約550万円)。すでに購入予約も受け付けている。カラーはホワイト、シルバー、グレー、ブラック、ブルー(いずれもメタリック塗装)と、数量限定でベビーブルー(パール塗装)の6色展開だ。インテリアのレザー部分はホワイト、ブラウン、ブラックの3色、ホイールはグレーとデュアルカラーの2色。6シートタイプと7シートタイプが選択できる。
電気のみを動力とする自動車は、どうしても航続距離が課題となる。それを解決するのがレンジエクステンダー搭載車だ。理想ONEは容量40.5キロワット時(kWh)のバッテリーパックと容量45リットルの燃料タンクを搭載し、160kWhバッテリー相当の大容量を実現した。航続距離はNEDC(新欧州ドライビングサイクル)モードで800キロメートル、WLTP(乗用車等の国際調和排出ガス・燃費試験法)モードでも690キロメートルを超える。
充電モードは急速充電、低速充電、ガソリンエンジンによる発電の3種類。
中国では近年、新エネルギー車の購入補助金が段階的に減額されているが、2019年時点の最新の政策によれば、理想ONEの純電気による航続距離は180キロメートルのため、1万元(約17万円)の補助金が適用される。
新興自動車メーカー各社が最も注力する「インテリジェント化」については、4つの高精細ディスプレイと3列シートすべてに音声操作スピーカーを配置した。ディスプレイはBOE(京東方科技)製の車載規格品、米コーニング社製の特殊強化ガラスを採用している。
これらのディスプレイはデュアルコアSoC、デュアルOSを搭載。センターディスプレイと助手席専用のエンターテイメント機能用ディスプレイは、車載用SoC「Snapdragon820A」とカーナビ用OS「Android Automotive」を採用し、検索エンジンのバイドゥ(百度)、ナビゲーションの高徳地図(AutoNavi Maps)、動画共有サービスの愛奇芸(iQIYI)、音声メディアのヒマラヤ(Himalaya)やオンライン音楽サービスなどが利用できる。 助手席用ディスプレイはブルートゥースにも対応する。インストルメントパネルとコントロールパネルには、テキサス・インスツルメンツ社製車載用SoC「Jacinto6」と車載OS「Automotive Grade Linux」を採用している。
全座席から音声アシスタントを起動し、機能設定やナビ操作、音楽や動画再生などを音声で操作できる。これらの技術はほとんどが自社開発によるものだ。
同社は年初に製造許可証を取得。プレス加工、溶接、塗装、組み立てまでをまかなう製造拠点も完成させた。現在は小ロットの試験生産段階に入っている。本格的に稼働すれば年間10万台を製造できる。
販売は直売のみ。5月初旬、北京、上海、広州、深圳、天津の5カ所に販売センターを開業するほか、武漢、成都、蘇州、杭州、鄭州、西安、南京、重慶の8カ所にも年内に販売拠点を設ける。
中国の新興EVメーカーと言えば、「蔚来汽車(NIO)」、「小鵬汽車(Xpeng Motors)」、「威馬汽車(WM Motor)」の3社が初の納車をスタートさせている。理想はやや遅れたかたちだが、今年第4四半期にも納車を開始する予定だ。
(翻訳・愛玉)
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