アリババ傘下「Alimama」がインフィード広告を内部テスト 新しい商品布陣の始まりか

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アリババグループ傘下のデジタルマーケティングプラットフォーム「Alimama(阿里媽媽)」が4月12日に「超級推薦(超オススメ)」という新たなインフィード広告の内部テストを始めたことが分かった。今回の内部テストは、一部のインフルエンサーや動画配信者、コンテンツ制作を得意とする店舗を対象とした小規模なものだ。

昨年10月に、Alimamaが主力事業となる全く新しいマーケティング商品をリリースすることが伝えられており、4月に入ってようやくお披露目されたかたちだ。オンラインショッピングにおいては、情報配信から実際に購入するまでのプロセスが少ないため、他媒体のインフィード広告に比べて効率良くコンバージョンを達成できるという利点がある。

情報筋によれば、Alimamaの新しいインフィード広告はモバイル版タオバオ(淘宝)の既存のレコメンドチャネルを統合したものだという。この「超級推薦」は、通常の商品詳細の他に、リストや動画、ライブ配信など多様な形式に対応している。統計によると、タオバオのトップページにあるユーザーへのおすすめ「猜你喜歓(これも好きかも)」は、消費者の認知度や1週間以内のリピート率がトップだという。売り手側はこのような効果的な位置にさまざまなコンテンツ形式の広告を表示させることができるようになり、コンテンツ運営の可能性が大きく広がる。

「超級推薦」を活用したマーケティングではコンバージョンだけでなく、カスタマーオペレーションやデータ分析という視点から、新規顧客や既存顧客、フォロワーなどセグメントの特性に基づいたマーケティングプランを提案することも可能になる。

ここ数年、技術の進歩と共にインフィード広告が爆発的に普及してきた。TikTokの運営元「バイトダンス(字節跳動)」は今年1000億元(約1兆6500億円)の売上目標を設定しており、その急成長を下支えしているのがインフィード広告だという。バイドゥも検索エンジン以外にインフィード広告事業に乗り出し、広告事業の強化を図っている。

Alimamaがインフィード広告を打ち出したのも、同様の考えからだ。モバイル版タオバオの「パーソナルレコメンド重視」路線を強化して、消費者の潜在ニーズにかなう情報を的確にプッシュすると同時に、多彩な形式の情報によって、「ウインドーショッピング」をしているような感覚を味わわせ、ユーザーの定着率と利用時間を向上させる狙いがある。さらに、スマホを購入したユーザーに対してスマホケースをすすめるなど、売り手側の潜在顧客の掘り起こしとコンバージョン達成に貢献する。

アリババグループのデータによると、2018年8月、モバイル版タオバオのレコメンドによるアクセス数が検索によるアクセス数を上回ったという。6億人ものタオバオユーザーに対し、レコメンド機能にインフィード広告を組み合わせたマーケティングを行えば、ここ数年で最強のマーケティング手段になるだろう。「超級推薦」に加え、既存のリスティング広告「直通車」とインプレッション保証型広告「ダイヤモンドブース(鑽展)」という主力事業の「ビッグスリー」が確立されつつある。

Alimamaはこれより前に、直通車に新機能「銷量明星」を実装することを発表したばかりだが、36Krでは、これはAlimamaによる一連の商品化のスタートに過ぎないとみていた。

「超級推薦」がハイスピードで内部テストに至ったことにより、昨年末の組織改革以降、事業者のマーケティングニーズや内部リソースの整理に対するAlimamaの方針が明らかになってきた。「銷量明星」にしても「超級推薦」にしても、根底にあるのは売り手の集客チャネルを増やし、プラットフォームの既存リソースを活性化してトラフィックの使用効率を向上させることだ。恐らくこれが今年の商品開発における基本方針なのだろう。
(翻訳・畠中裕子)

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