自動運転用AIコンピューターを開発する「黒芝麻智能科技」がシリーズBで資金を調達

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自動運転用AIコンピューターを開発する「黒芝麻智能科技」がシリーズBで資金を調達

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AIコンピューターを研究開発する「黒芝麻智能科技(Black Sesame Technologies)」がシリーズBで資金を調達したと発表した。リード・インベスターは「君聯資本(Legend Capital)」傘下の半導体専門ファンド「君海創芯(Junhai Chuanxin)」、コ・インベスターは「上海汽車集団(SAIC)」、「SKハイニックス」、「北極光創投(Northern Light Venture Capital)」など。今回調達した資金は主に、自動運転制御装置の設計や車載用ソフトウェアの開発などに充てられる。

黒芝麻智能科技は2016年8月に設立され、上海と米シリコンバレーに研究開発センターを開設している。2016年11月にシリーズAで資金を調達、2018年にはシリーズA+で1億元(約16億7000万円)近くの調達に成功した。

同社が開発するAIベースのシステム・オン・チップ(SoC)は、画像・動画処理、光学処理、センシングアルゴリズム、ディープニューラルネットワーク、センサーシステムの統合などのコアテクノロジーが集約されており、センサー送受信機からアプリケーションまでカバーした、センサーのフルスタックサービスを提供する。

具体的には、検知された車両や歩行者、標識などの道路情報を画像処理し、ミリ波レーダー、超音波レーダー、GPS、IMUにより得られたデータとともにセンサーシステムに伝え、これらのデータをSoCコンピューターから自動運転技術の開発企業に送信し判断や制御を行えるようにするものだ。

黒芝麻智能科技の共同創業者でCEOの単記章氏によれば、LiDARは価格や性能の面から量産が難しいため、現段階で同社のセンサー統合プランにはLiDARは組み込まれていないという。

LiDARは主に距離を測定するものだ。LiDARがなくても、精度の高いカメラがあれば距離を測定できる、と単記章氏は語る。同社はセンサーメーカーと連携して、光の強さだけでなく方向や偏りなども感知でき、全天候で使用可能なセンサーカメラを採用した。

視覚センサーの技術に関して、単記章氏は光学に関する知識が非常に重要だと考える。光学的現象が、劣悪な環境下でのセンサー精度に直接影響するからだ。光学についての知識が乏しい同業者が多い中、黒芝麻智能科技の創業チームは画像処理や光学処理の分野で20年以上の経験がある。

また同社はコンピューティングアーキテクチャやストレージアーキテクチャにおいて膨大な最適化を行ってきたため、コンピューティング能力でも大きな強みを持っている。ニューラルネットワークのコンピューティング能力はMobileye社の次世代チップ「EyeQ5」の2倍以上に及ぶ。

黒芝麻智能科技は今年末に車載用チップの工業見本を発表する計画だ。多くのチップメーカーが、IPコアやシステムインテグレーションを外注しているのに対し、同社は独自に開発しているという。さらにチップ製造は、単にチップを作るだけでなく、エコシステムを作り上げることが非常に重要になる。そのため同社はニューラルネットワークアクセラレータのほかにSoCコンピューターを手がけ、CNNやRNNなど様々な種類のニューラルネットワークに対応できるようにしている。

単記章氏は清華大学の微電子学の学士課程と修士課程を修了、イメージセンサー大手「オムニビジョン」の創業メンバーとして自動車用ソフトウェアやチップの研究開発で経験を積んできた。視覚センサーの分野で100件以上の特許を取得している。共同創業者でCOOの劉衛紅氏は清華大学修士課程、トロント大学MBAを修了、ボッシュのシャシーシステムコントロール事業部アジア太平洋地区の総裁として20年以上の経験がある。
(翻訳・畠中裕子)

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