スタバが8つの新商品を一斉リリース その陰に見える焦り

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スタバが8つの新商品を一斉リリース その陰に見える焦り

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コーヒー業界ではまた一波乱ありそうだ。

ここ一週間の間に、「luckin coffee(瑞幸珈琲)」がシリーズB+で1億5000万ドル(約167億4000万円)の資金を調達したと発表、その後米国でIPO申請を行った。「連珈琲(Coffee Box)」も新シリーズで2億600万元(約34億2000万円)の資金調達を完了。そしてスターバックスは4月25日、全国の店舗とデリバリーサービス「専星送(Zhuanxingsong)」で新商品のコールドドリンク「玩味冰調」8種類を販売開始したのだ。

カテゴリから見ると、これらの新商品は「茶」でも「コーヒー」でもない。「TEAVANA(ティバーナ、2012年にスターバックスが買収した紅茶専門店)」の茶葉やスターバックスのコーヒーをベースにした全く新しいドリンクだ。8つのドリンクは、低カロリーや低糖、カフェインレスやビタミンC豊富、というようにそれぞれ異なるセールスポイントを持つ。美味しさと同時により健康を気づかい、時代の先端を行く人々の多様化したニーズに応えるためだ。

しかもスターバックスは今回もカップに「仕掛け」を施すのを忘れなかった。全く異なる11のデザインのコールド用カップ「玩味冰杯」を用意し、その中の4つのデザインを限定版にしたのだ。こうすることで消費者はよりこれらの商品の発売を楽しむことができる。

今年に入ってから、中国のスターバックスは話題に事欠かなかった。猫の手タンブラーの大ヒット、その熱も冷めやらぬうちに699元(約1万1600円)もする高価なテディベアの発売、そしてアイスクリームの発売、さらに今回は新ドリンクを世界に先駆けて発売したのだ。

この一連の動きの背後には中国市場の過激な競争が見て取れる。スターバックスのライバルは、数ある新興コーヒーチェーンだけではない。人気のティードリンクブランド「奈雪の茶」「喜茶(HEYTEA)」などもそのシェアを奪おうと今年に入ってから次々とコーヒーを発売しているのだ。

注目すべきなのは、決算報告から明らかな通り、スターバックスは過去一年、確かに不調だったということだ。2018年第3四半期、スターバックスの中国市場での営業利益率は7.6%減少、既存店舗の売上高も前年同期比で2%減少している。ここ9年で初めてのマイナス成長であり、世界で最も業績の悪い市場となった。「中国市場が33季連続で既存店舗の売上増を達成」という神話がついに終わりを迎えたのだ。第4四半期に入って、いくらか持ち直したものの、既存店売上高はわずか1%増にとどまっった。2019年第1四半期の決算も決して楽観視できない。中国市場の売上高は前年同期比1%増で、世界平均の3%に及んでいないのだ。

かつては最も成長の見込みがあると見られていた中国市場だが、スターバックスはそれに甘んじていられなくなった。新しいアイディアで市場での吸引力を保たなければならない。

今回発売した新カテゴリの商品はまさにスターバックスにとってのイノベーションである。これにより新しいものや変化を求める消費者グループを惹きつけ、同質化した商品の中で差別化に成功し、競争力を高めて新しい成長分野を獲得することができる。さらに新商品のプロモーションで話題性と注目度を高め、リピーターと新規顧客を同時に獲得することが可能だ。

しかし中国市場において、スターバックスがライバルの猛追をかわし、かつての優勢を取り戻せるかは定かではない。市場で常にトップを走り続けるのは簡単なことではないのだ。
(翻訳・山口幸子)

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