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目下、スマートコックピットが大きな注目を集めるなか、重要な役割を担っているのがディスプレイだ。しかし、現時点で、車載ディスプレイはさまざまな課題を抱えている。
これまでの一般的なディスプレイはサイズが大きく、スペースの関係上、設置できる車種が限られる。フロントガラスなどに投影する透明ディスプレイの場合、透明有機ELや透明液晶などがあるが、既存の技術では透過率が低く、曇り度(ヘイズ)が高いなどの問題があり、スマートコックピットへの大規模な導入は難しい。
高精細の透明ディスプレイテレビはシャオミ、LG、サムスンがすでに発表しているが、これは色のついた画素と透明画素を交互に配置する仕組みのため、透明度と解像度のバランスをとる必要があり、完全に透明にすることはできないのだという。
透明ディスプレイやARディスプレイの中核部品およびトータルソリューションを提供する「深圳光子晶体科技(Shenzhen Photonic Crystal Technology)」(以下、光子晶体)は2017年に設立されたテック企業で、ガラスやアクリルなどの透明な媒体を高精細かつ鮮明なディスプレイに変える独自技術を有している。
同社の透明ディスプレイ技術「nanoAR」は3次元ナノフォトニクス構造を持つ多層フレキシブル透明フィルムを採用し、透明な媒体に直接貼り付けて高精細の透明ディスプレイにすることができる。計算機合成ホログラムの原理を用いて3次元のナノホログラム構造を設計し、干渉の違いを利用して光を選択的にコントロールすることで透明なディスプレイを実現する。自動車のスマートコックピットのヘッドアップディスプレイ(HUD)やAR-HUD、ARグラスなどに活用できる。
光子晶体の透明ディスプレイ技術は、既存の車載用透明ディスプレイが抱える透明度が不十分、視野角が狭い、サイズが大きいといった課題を解決することができ、すでにスマートコックピットやサンルーフ、サイドウィンドウなどに応用されている。同社の製品は車載規格認証を取得したほか、2車種がスマートウィンドウとスマートサンルーフを標準装備に採用することが決定しており、2023年に量産と発売が予定されている。
光子晶体創業者の鄭港CEOによると、同社の技術はAR-HUDにも活用でき、すでに既存製品のわずか10分の1サイズを原理試作品で検証を終え、現在は複数の完成車メーカーと概念実証(PoC)や設計を進めているという。
このほか、その透明ディスプレイ技術やARディスプレイ技術はすでに量産されて博物館や展示会などでも活用が進んでおり、雲南恐竜博物館や深圳市の地下鉄などで導入されている。
現在、商業用ディスプレイの分野では200社以上の顧客にサービスを提供しており、自動車分野では10社と概念実証を進めているほか、2社と搭載車種の契約を交わしている。
光子晶体の董事長を務める王勇競博士は世界的に有名なディスプレイ技術の専門家。創業チームには深圳イノベーション創業人材やディスプレイ技術の専門家が多数含まれており、現在は60人ほどの従業員が在籍している。
(翻訳・畠中裕子)
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