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「ファーウェイ(華為技術)は遅くとも来年には世界の携帯電話市場の頂点に立つ自信がある」。同社のコンシューマー向け端末事業グループCEO余承東(リチャード・ユー)氏は、4月に行われた「P30」シリーズ発表会の後で取材を受けた際にこう答えた。
2018年、ファーウェイのコンシューマー向け端末事業の売上高が、初めて通信キャリア向けネットワーク事業を上回った。同社の事業ポートフォリオでますます存在感を増すと同時に、その成長性とイマジネーションはいずれも通信キャリア向け事業を上回っており、さらには収益面での貢献度も逆転している。
ファーウェイは従来の通信設備企業から、消費者向けデジタル製品企業へと変化しつつある。
スマホ出荷台数、2年以内にサムスンやアップルを超える
総合的な実力から見て、携帯電話事業におけるファーウェイとサムスン、アップルとの格差は依然として大きい。アップルは技術、商品力、ブランド、収益力の全てにおいて頂点にいる。サムスンのトップアドバンテージは主にコアコンポーネントの制御(ディスプレイ、内蔵メモリ)にあり、これはファーウェイが短期間では追いつけないものだ。しかし、同社は携帯電話製品の研究開発に年間60億ドル(約6714億1800万円)を投じている。
少なくとも出荷台数においては、ファーウェイは今後2年間でアップルとサムスンを超える見込みだ。
アップルは前年に発表した商品で市場の手ごたえが得られず、今年のiPhone出荷台数は微増にとどまるとみられる。つまり、ファーウェイがアップルを超えるのは難しくないということだ。
もしサムスンの出荷台数が2018年の水準で推移するなら、ファーウェイは2020年にサムスンを超えて世界のトップベンダーとなる。
5年で売上高16兆円を目指すコンシューマー向け端末事業
ファーウェイの二大事業を比べてみると、コンシューマー向け端末事業はいまだ急速な成長期にあり、その伸びしろは大きく、成長イメージをより大きく描くことができる。
2014年から2018年までの売上高を見ると、コンシューマー向け端末事業の成長速度はグループ全体の成長速度を上回り、反対に、通信キャリア向けネットワーク事業はその逆であることが分かる。
2017年から続いた通信キャリア向け事業の成長が停滞する一方、コンシューマー向け事業は依然として30%以上の成長を保っている。すでにグループ全体をけん引する存在となっているのだ。
同事業部は最近、設立以来最大の改革を行った。それは組織一丸で戦い、能動的に改革するというものだ。同時に、今後3年間の売上高で1000億ドル(約11兆2000億円)、5年間で1500億ドル(約16兆8000億円)、年間の税引き前利益率で予定目標値を下回らないという経営目標を立てた。
拮抗する二大事業の収益貢献度
関連データが非公開のため、2大事業部の売上総利益率を正確に見積もることは難しいが、主要事業の構造がファーウェイに近い「ZTE(中興通訊)」のデータを参考にしながら比較してみる。
上記の方法では、控えめに見積もっても、ファーウェイのコンシューマー向け端末事業の売上総利益率は20%以上だ。
また、通信キャリア向けネットワーク事業を40%として計算すると、次のようなデータが得られる。
コンシューマー向け事業の2014年における売上総利益率は通信キャリア向け事業の20%だったが、2018年には60%にまで近づいており、両者の収益貢献度の差は縮まり続けている。
コンシューマー向け端末事業はこのまま2021年にも通信キャリア向けネットワーク事業を超え、ファーウェイの主な収益源となるだろう。
5G通信が普及する前段階ですでに、通信キャリア向け事業の成長性はコンシューマー向け事業のそれよりも明らかに弱い。最も重要なことは、AIやIoTが活躍する時代においては、携帯電話端末がより重要なコアポータルの役割を担うことになることだ。
しかし、ファーウェイが将来的に純粋な携帯電話メーカーになれるかと尋ねられた時、余承東氏はこれを否定した。同氏の見るところ、ファーウェイは常に複数事業モデルで成長する企業だという。
(翻訳・愛玉)
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