訪問サービス大手「58到家」が共同購入モデルを導入 地域の生活サービスを担う「万能管家」

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訪問サービス大手「58到家」が共同購入モデルを導入 地域の生活サービスを担う「万能管家」

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昨年、生鮮食品の「社区団購(地域コミュニティー向け共同購入)」という新たな消費行動が注目を浴び、数億元(数十億~百数十億円)の投資マネーが流入した。VC界でもよく知られる手法で、地域社会のコミュニティー単位で、家庭の母親たちを代理販売チャネルに見立てて顧客を獲得、商品の一時保管や配送などもおこなう。プラットフォーム側は、これにサプライチェーンを提供するというものだ。

生活サービスO2Oプラットフォームの最大手「58到家(58 Home)」は、掃除、マッサージ、修理工、家屋メンテナンス、引っ越し、開錠など36項目1000種以上の訪問サービスを提供している。

地域向けの生活サービスを提供する業者にとっては、現場までの移動距離が課題で、依頼時間と予約の空き状況が業務効率を左右する。その為、生活サービスにも地域コミュニティーの共同購入スキームが使えると、同社副総裁の何松氏は考えた。

昨年末に58到家は、WeChat(微信)のミニプログラム「万能管家(スーパー執事の意味)」をリリースし、生活サービスの地域共同購入を試験的に開始した。地域ごとに執事役を務める「万能管家」を1名置き、その「管家」が居住区内の生活サービスのニーズを取り仕切るようにする。

地域コミュニティーの共同購入スキームを取り入れることで、同一地域の複数の依頼をプラットフォームでまとめて発注することにより、サービス業者の移動コストと時間を節約でき、サービス効率を上げることができる。

生活サービスは生鮮食品などに比べ利用頻度が低いものの客単価が高く、執事役を務める管家にとっては、時間と手間を節約できるうえ、より高い収益を見込めるビジネスだ。58到家では、取引価格の10%が管家の手数料となり、なかには月収1万元(約16万円)を稼ぐ例もあるという。

地域コミュニティー向け共同購入は、新たに加わった一つの方法にすぎない。プラットフォームの役割は、これを効率よく運営し、利用頻度とリピーターを増やすことである。そのためのポイントは2つある。

1.業務を引き受け、サービスを手配する管家

管家になるのは、顔なじみの近所の住人や居住区内にある商店の店主などだ。「消費者―管家―プラットフォーム―サービス業者」という流れの中で、管家は集客と業務の一部を担っており、研修を受けた後、地域住民の相談を受けたりサービス業者を手配したりする。顔なじみという安心感で住民の心をつかみプラットフォームのリピーターを増やす狙いだ。

また、プラットフォーム側はプロモーションをおこない利用を促す。利用率は徐々に増え、今では1000人近くの管家を抱えるまでに成長した。

2.取引を支える安定・標準化したサプライチェーン

生活サービスを繰り返し利用してもらうには、安定・標準化したサービス・サプライチェーンが欠かせない。58到家は、30都市をカバーする優良なサービス業者のネットワークをもつ強みを生かし、一律のサービス基準や標準価格を定めるなど生活サービスに対する標準化を進めた。

また、既存のサービス業者の組織化も行っている。先ず認証を受けた優良サービス業者だけが受注できる「直接派遣制」を設け、これで業務全体の8割を手配する。残りの2割は、第三者サービス業者間で競わせるシステムを確立、サプライチェーンの安定と標準化を図った。

業界のリーディングカンパニー内の構造改革は、生活サービスが単なる仲介役ではなく、サービスの品質を管理するものに変わったことを意味する。サービス品質管理こそ、プラットフォームが勝ち抜く唯一の方法である。これで、質の悪いサービス業者も一掃されるだろう。
(翻訳:貴美華)

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