新興白酒メーカー「開山」、3ヶ月間で数億円調達

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新興白酒メーカー「開山」、3ヶ月間で数億円調達

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新興白酒メーカーの「開山(volcancraft)」がこの3ヶ月間で2度の資金調達を実施し、シリーズAとシリーズA +で合計数千万元(数億円)調達したことがわかった。出資者は「高瓴資本(Hillhouse Capital)」と「源碼資本(Source Code Capital)」。

消費層別の消費力と市場価値に関し、上から順に女性、子ども、高齢者、犬、男性とするランキングがある。インターネットでは男性の消費力は犬以下だと揶揄されてきた。

「開山」創業者の唐煒氏はこの見方に異論を唱える。男性は消費の意思決定プロセスがより理性的というだけで、消費に消極的というわけではないと指摘。消費意欲を刺激する優れた商品と誘因が必要なのであり、言い方を変えれば、消費を引き出すやり方が間違っている可能性があるとみている。

唐氏によると、男性が進んでお金を使う場面は一般的に2つあるという。一つは「気楽に支払う」出費で、ゲームや課金アイテム、チャージなどがその典型にあたる。もう一つは「ソーシャルメディアでの話題」になるような消費だ。男性の尊厳、つまり「面子」に関わる消費であり、中でも典型的なのがアルコール類で、他に3C製品(コンピューター、通信機器、家電)、自動車、茶葉などがある。

市場のかく乱ではなく、拡大を目指す

商品とブランドの位置付けについて、同社は永遠に時代をリードするブランドになりたいと意気込む。オークションで喩えると、よく売れる作品は歴史を感じさせるものか、もしくは前衛派の作品だとの見方を示している。その上で、高級白酒がブランドの付加価値を生み出し、特に「ソーシャルメディアでの話題」となるには時間の積み重ねが必要だとして、新興メーカーとしては「前衛派」を目指す方が適切との認識を示している。

唐氏は白酒における「世代間断絶」といわれる問題を全く意に介していない。同社は既存の市場シェアではなく、市場の拡大を狙っているからだ。また、購買層を見る限り、明らかに消費者の世代交代が進んでいるとして、若者は白酒自体への関心を失っておらず、老舗ブランドが色褪せ、新興ブランドにチャンスが訪れているとみている。

同社が目指すのは業界のかく乱ではない。味や消費に対する考え方の面から、上の世代の消費者を取り込むことは難しい。同社が新たに掘り起こそうとしているのは、品質の高い酒、アルコール度数の強い酒を味わってみたいというオープンな姿勢の消費者層だ。その対象は地域や年齢を問わず、1980年代生まれのほか、一級都市の1995年以降生まれ、2000年代生まれ、二、三級都市の1960年代生まれまでも想定されている。

日用消費財ではなく、ソーシャルメディアで話題になりたい

ソーシャルメディアでの話題になれるかどうかは、商品自体の品質に加え、アイデンティティやクラス感のような付加価値にかかっている。この点からいえば、ぜいたく品もソーシャルメディアでの話題型消費だ。

男性の消費のもう一つの特徴はブランドに対する忠誠度が高いことだ。このため、ブランドがいったん認知されると、顧客ロイヤルティは高くなる。

開山は日用消費財の販売コンセプトを全く踏襲していない。あらゆる販路を使って広範囲に出荷するのではなく、しばらくは試験的に出荷する地域を選ぶことに重点を置き、モデルとなる市場の構築を進める。まずはブランドプロモーションと商品を通じて、「開山」ブランドのテイストを確立する構えだ。まもなく白酒需要が落ち込む時期を迎えるが、同社は男性の興味の対象別グループにおいて、高級志向の旅行、アウトドアブランド、自動車、資産管理などの分野でトップクラスの商品と提携し、KOL(Key Opinion Leader。インフルエンサーの意)を活用して口コミを増やしていくとしている。
(翻訳・池田晃子)

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