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米誌フォーブスのウェブサイトはこのほど、アップルが2024年に医療保険を販売するというアナリストの予測を掲載した。Apple Watchで取得する健康関連データを参考にするという。
Apple Watchは血圧、血中酸素、心電図、体温などのデータを収集し、服用する薬の調整に役立っている。付属品を使えば糖尿病などの疾病のモニタリングもできる。豊富なデータを保有するアップルは保険市場で主導的な立場を占め、消費者のコストを削減するとアナリストはみる。
英市場調査会社「CCS Insight」首席アナリストのBen Wood氏は「アップルは医療保険市場において非常に競争力のある新規参入者になる。米国の医療・ヘルスケア市場の構造に大きな影響を与えるだろう」と話す。
中国の保険関連メディア「保観(Insur View)」によると、米国では患者のデータが豊富に蓄積されているが、主に診療所で利用され保険業界での利用はまだ始まったばかりだと指摘する。
CCS Insightは、アップルが大手保険会社と提携して米国の医療保険市場に参入すると述べる。また、保観はアップルが2024年にユナイテッドヘルスケアを提携先に選ぶと予想する。米国で最も影響力がある医療保険会社の一つだ。
Apple Watchは2014年に発売され、当初はおしゃれなアクセサリーだったが、次第に健康面の機能が強化されていった。
手首で心電図が測定できるApple Watch Series 4は、2018年に米食品医薬品局(FDA)から認可を取得した。消費者向けに販売された、医師の指示がなくても測定が可能な世界初の製品だ。Apple Watch Series 6は2020年に血中酸素の測定機能を追加し、わずか15秒で血中酸素の飽和度を測定できるようになった。
Apple Watchの発売に伴い、アップルがヘルスケア業界のどの分野に進出するかが見えてきた。同社は2014年には健康に関するデータを計測するアプリApple Healthをリリースし、15年と16年にはオープンソースのフレームワークResearchKitとCareKitをリリース。医学研究、医療アプリ開発、病状記録などに向けて提供している。
このほか、アップルは医療・ヘルスケア分野で買収を繰り返している。2016年に患者データの管理プラットフォームGliimpseを、17年には睡眠関連製品を手がけるBedditを、19年には子供のぜんそく症状のモニタリングシステムを開発したスタートアップTueo Healtを買収した。
アップルとエトナ保険は2019年に提携し、Attainというアプリを共同でリリースした。Apple Watchのデータを利用して心拍数の測定と運動面のフォローアップサービスを提供する。
アップルは2020年、米医療保険大手アンセム(Anthem)などのパートナーと共同で、ぜんそく患者がApple Watchなどのデバイスをどのように利用して病状を管理するかについて研究した。アンセム保険は19年にアップルのヘルスケア部門の中心メンバーを引き抜いたと報道されている。
アップルのクックCEOは今年1月、Apple Watchについて「ほぼ毎日顧客のメッセージを受け取っている。心臓に関して警告サインが出たので急いで病院を予約し命が救われたといった情報をシェアしてくれる。私たちのヘルスケア事業はまだ初期段階だが、毎日自分たちが役に立っていると実感でき励みになる」と話した。
Apple Watchのようなスマートウォッチを含めたウェアラブル端末は現在世界で3カ月に1億台以上出荷され、今なお増加しており、アップル、ファーウェイ、シャオミ(Xiaomi)が安定して上位を占める。シャオミも2015年に中国のネット医療保険企業「衆安保険(ZhongAn Insurance)」と共同で、歩数に合わせて保険料を減額するタイプの保険を発売した。同保険の加入者は2017年に1000万人を超えたと報道された。
(翻訳・36Kr Japan編集部)
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