美団が新たな配送プラットフォームを発表  餓了麼との競争激化

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中国で即時配送サービスの競争が激化している。

フードデリバリーなどを展開するO2O大手の「美団点評(Meituan-Dianping)」が、新たに立ち上げた「美団配送」ブランドで、商品宅配サービスに本格参入すると発表した。すでに大手スーパーや青果店、ドラッグストアと提携しているという。

美団配送の魏巍社長によれば、2019年4月20日時点で美団のフードデリバリーサービスは、1日の平均注文件数が2500万件、出店業者数は360万店に達した。また、全国に1万ヶ所の配送拠点および倉庫を兼ねた実店舗を設け、約2800都市の360万社の業者と4億人の個人ユーザーにサービスを提供している。1日あたり稼動する配送ドライバー数は60万人を超え、最短1時間以内の配達が可能だ。

美団は2018年7月に、スーパーやコンビニに対し生鮮食品や生花等の即時配送を求める消費者の声に応え、24時間対応で注文から30分で自宅へ配送する「美団閃購」というサービスを開始した。それ以前から、美団はすでに事業の多角化を進めており、宅配サービス「美団跑腿」、雑貨や洋服の宅配、ブティック型スーパー「小象生鮮」の開設など、フードデリバリー以外の事業を展開していた。

王莆中高級副総裁によれば、美団は2018年9月の上場以降、2つの課題を成し遂げた。1つは、「美団閃購」を通じて非フード商品デリバリーのユーザーを獲得したこと。もう一つは、自社の配送ネットワークを様々な事業者に開放し、より多くの消費者にサービスを提供してきたことだという。今後美団は、自社の物流インフラを整備し、あらゆるビジネスシナリオに対応することを目指している。具体的には、下記の通りである。

■ 技術面では、美団の即時配送システム「超脳」は交通ラッシュ時でも1時間に29億回のルート検索が可能で、ドライバーに平均0.55ミリ秒で1つの最適ルートを提示し、平均配送時間を30分以内に短縮できる。
■ 配送ネットワークについては、コンビニ、スーパー、オフィス等の様々な配送シーンに対応する4種類のモデルを確立している。
■ すべての当事者のリソースを統合し、注文を第三者の配送業者とシェアする。同時に出店業者の多様化を進め、より優れたエコシステムを構築する。

しかし、このビジネスチャンスを狙っているフードデリバリーサービス大手の「餓了麼(Ele.me)」は、美団の最大のライバルだ。2018年にアリババに買収される前から、餓了麼の張旭豪CEOは「配送は餓了麼のコアバリューだ」と認識しており、同一都市内で多種類の商品の即時配送サービスを目指していた。

今後、餓了麼は300万人もの短距離配送ドライバーの存在を活かし、アリババのニューリテール戦略の物流インフラを支えながら、スターバックスをはじめ様々なオフライン店舗とタイアップし、食料品、医薬品、日用品、生花、生鮮食品等、あらゆる商品の宅配サービスを試みていく。

コンビニ大手のセブンイレブン北京は、2018年8月から美団のプラットフォームに出店していたが、先日、餓了麼のプラットフォームにも出店すると発表した。業界を越えた競争が激しさを増す中、オフライン店舗のオンラインの即時配送サービスプラットフォームへの依存度はますます高まるだろう。

中国の配送業界の市場規模について、中国物流・購買連合会(CFLP)の崔忠付副会長は、今後5年間は高成長を続け、2020年には2000億元(約3兆2000億円)を突破するとしている。
(翻訳・桃紅柳緑)

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