オーラルケアの「貝医生」 2年間で1000万本を販売した歯ブラシの市場戦略

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オーラルケアの「貝医生」 2年間で1000万本を販売した歯ブラシの市場戦略

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中国のオーラルケア市場が伸びている。調査会社ニールセンによると、現時点における市場規模は257億元(約4000億円)、今後15年間で口腔ケア、予防及び治療を含む中国のオーラルケア市場は5000億元(約7兆9000億円)を超えるという。

この巨大市場でオーラルケア商品を展開しているのが「貝医生(DR・BEI)」だ。同ブランドはシャオミ(小米科技)のインキュベーションプロジェクト「小米生態鏈(Mi ecosystem )」のパートナー企業「小貝科技(Xiaobei Technology)」が運営する。新世代の消費者習慣を研究し開発した歯ブラシ「巴氏牙刷」、歯磨き剤「0+牙膏」、電動歯ブラシ、マウスウォッシュ「0+漱口水」、デンタルフロスなどを発売している。

貝医生の創業者兼CEOの章駿氏は、同社のビジョンを次のように示した。
1.こだわりのヒット商品で市場を攻めるブランディング
2.豊富なラインナップによる、成長市場の攻略
3.口腔医療サービスとの連携による医療向け商品の事業化

歯ブラシ市場は上位10ブランドのシェアが50%に満たない分散した市場で、どれを買ったらいいか分からない消費者も多いため、成熟市場ではあってもチャンスはまだあると考えたという。

「歯を磨く時のポイントは、歯と歯肉の境目をきちんと磨くこと。アジア人の歯肉は柔らかいので、毛先の設計には強くこだわった。内側を長く、外側は短めに、それぞれ太さの異なる毛を採用した」というこだわりのロジックは、電動歯ブラシにも生かされているという。

貝医生の歯ブラシ「巴氏牙刷」と歯磨き剤「0+牙膏」

毛先には、東レのブラシ用毛材など世界トップクラスのものを採用している。日本のグッドデザイン賞など世界のデザインアワードで受賞しているほか、2018年には中国海南島で開催された「ボアオ・アジアフォーラム」の指定ブランドにもなった。販売数では、わずか7日間で200万本超、2年間で1000万本を超える実績をもつ。

統計によると、電動歯ブラシの市場規模は2020年に500億元(約7900億円)を超えると見られており、業界でも成長市場として期待されている。現状は、フィリップスや「Oral-B」など海外ブランドによる市場シェアが大きいが、価格帯は高めで、モデルチェンジも遅い。

同社の電動歯ブラシ

国産ブランドには「素士(Soocas)」、「舒客(Saky)」、「欧可林(Oclean)」、「mteeth」、「益歯佳(YICHIJIA)」などがあるが、コモディティ化で競争が激しくなっている。多くのメーカーは電動歯ブラシの振動や力加減などのスペックで競い合うことに終始し、歯を守るという根本的な目的を忘れている。

そのため同社は、電動歯ブラシのハンドル部分とヘッドの設計にこだわった結果、ECサイト「天猫(Tmall)」での販売量が電動歯ブラシ部門で5位以内にランクインした。

子ども向け歯ブラシ

現在同社の製品は、シャオミが持つオフライン店舗やネットで販売しているが、今後はブランディングに力を入れ、コンビニエンスストアでの販売にも着手する。

また、シャオミの2億を超えるユーザーを活用することでプロモーション費用を抑え、その分を開発研究費に充てることができている。売り上げは好調で、1年間で黒字化に成功。売り上げ構成は、電動歯ブラシが50%、手用歯ブラシ30%、その他製品が20%だという。

今後の計画は、サプライチェーンとの連携を強化して生産効率を上げること。そして、ネットサービスと融合した商品を開発し、これを切り口としたリモート口腔医療のニーズを探っていくことだと章駿氏は言う。

章駿氏は、浙江大学工業デザイン学部を卒業。レノボの主任デザイナーを務め、北京オリンピックの聖火トーチ「祥雲」のデザインにも携わった。

同社はこれまでに、エンジェルラウンドでシャオミと「順為資本(Shunwei Capital)」から、プレシリーズAで「上海米籌金服(Mic Finance)」から資金を調達した。
(翻訳:貴美華)

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