パソコン大手レノボ、産業全体を包括する排出削減への取り組み

36Kr Japan | 最大級の中国テック・スタートアップ専門メディア

日本最大級の中国テック・スタートアップ専門メディア。日本経済新聞社とパートナーシップ提携。デジタル化で先行する中国の「今」から日本の未来を読み取ろう。

大企業注目記事

パソコン大手レノボ、産業全体を包括する排出削減への取り組み

原文はこちら

セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け

メールマガジンに登録

続きを読む

中国のパソコンメーカー大手レノボ・グループ(聯想集団)が天津市に設ける開発・生産拠点「レノボ(天津)スマート・イノベーションサービス産業パーク」では、同社が独自に開発したスマート生産ラインがスムーズに稼働している。

19台のロボットアームがスマート製造システムと連携し、マシンビジョンやセンサーなどを活用して自動でデスクトップパソコンの組み立て作業を行っている。この生産ラインでは、平均して24秒に1台のぺースでデスクトップパソコンがラインオフする。

レノボが受注するデスクトップパソコンは、ユーザーからカスタマイズを受け付けるBTO(Build To Order)生産も少なくない。この場合、設計開発・部品調達・生産計画などがそれぞれ協調し合う必要がある。しかし、レノボの新しいアーキテクチャー「デバイス-エッジ-クラウド-ネットワーク-スマートソリューション」ならば多品種小ロット生産でも小回りがきく。

デスクトップパソコンの製品試験は自動化率が65%から85%まで上がり、試験データは透明性を持ち、閲覧・制御が可能になり、品質状況の可観測性も上がった。

最終的な包装段階でもライン自動化率が60%に達し、品質検査は完全自動化した。製品部品やオペレーターなどの生産情報もシステムを通じて自動でアップロードされ、全製品情報にトレーサビリティを持たせている。

「レノボはスマート生産ラインを独自開発・設計したことで、ライン1本で月6万台を生産できるようになった」。レノボの王会文副総裁はこのように述べ、天津の産業パークは建設段階から「グリーン・ゼロカーボン」をデジタルの力でけん引し、「ライトハウス(灯台工場)」を中核目標に据え、科学的かつ再現可能なゼロカーボンの製造ソリューションを業界に提案することを目指していくという。また、レノボの天津産業パークもゼロカーボン関連の認証を取得中だ。

ゼロカーボン工場を実現する一般的なアプローチはエネルギー使用率の改善、省エネ技術の導入、再生可能エネルギーの利用などで、これらは産業パーク全体のCO2排出削減に寄与する。例えば、レノボの天津産業パークの3つのメイン棟には2万平方メートルに及ぶ分散型ソーラーパネルが敷設され、展示センターの電力を通年で賄っている。パーク内各所にはソーラー街路灯、ソーラーパネル付きセンサー式ゴミ箱などオフグリッド製品が設置され、CO2排出削減に最大限の効果をもたらす。

「産業パーク管理にも省エネ型機器を採用している。変圧器は一般製品より20%以上も節電が可能なほか、セントラル空調技術ではエネルギー効率を30%から40%以上も上げている」と王副総裁は説明する。ゼロカーボン工場を構築・実践するにあたっては、工場のオペレーション管理から環境に配慮したリサイクルに至るまで、経済性と排出削減効率を兼ね備えたデジタル化ソリューションが欠かせなかったという。

王副総裁によると、レノボではスマートビルディングの制御システムやスマート産業パークのミドルウェアを用いてエネルギー管理を行っている。同氏は「自社でも独自にデジタル化企業ソリューションプラットフォーム(ESP)を開発した。各種データやレポートを自動インポートし、製造システムに散在するESPデータを収集して、社内のESP情報を相互連携させている」と説明する。

レノボは生産スケジューリングシステム「LAPS(Lenovo Advanced Production Scheduling System)」も独自に開発した。受注状況に応じて生産スケジュールを調整し、待機状態のラインを減らしている。「レノボ最大のパソコン生産拠点である合肥工場(子会社の「聯宝科技」を指す)では長年使われているシステムで、電力は年間2700メガワットを節約でき、CO2排出量は年2000トン以上を削減できる。この削減量は11万本を植樹したに等しいものだ」。

電子製品のサプライチェーンは長いため、CO2排出量も多い。サプライチェーンを挙げて排出削減を実現することは、中国のCO2排出削減政策「ダブルカーボン」における重要な課題となっている。

レノボはサプライチェーンのリーダーとして、産業全体でCO2排出削減を推進させるという責務を負っている。王副総裁によると、レノボには製品のライフサイクルを評価する独自のLCA(Life Cycle Assessment)システムプラットフォームがあり、製品のカーボンフットプリントや環境負荷を科学的かつ効果的に評価できるようになっている。

さらに、製品に使われた素材や物質の開示をサプライチェーンに促すフルマテリアル申告システム「FMD(Full Material Declaration)」を活用してサプライチェーン内での環境コンプライアンス違反リスクを低減させている。また自社のIoT、機械学習、ナレッジマップなどの技術をベースに、開発ライフサイクルに関わる多くのシーンで計算・排出削減・警告を実施し、サプライチェーンに関わる全企業のCO2排出、カーボンアセットなどを算出する。

サプライチェーン管理を強化して川上・川下企業の排出削減を促すため、レノボは「緑色発展記分卡(グリーン開発スコアカード)」も発行する。王副総裁は「我々は行動規範、国際非営利団体CDPのパフォーマンススコア、水資源使用削減目標、紛争鉱物管理、温室効果ガス排出削減、サステナビリティ進捗報告など30以上の指標に基づいてスコアをつけ、得点に応じて各サプライヤーからの調達配分を決めていく」としている。

加えて、物流分野における温室効果ガス排出量算定法「GLECフレームワーク」に準じ、複合一貫輸送の実施、輸送方法や輸送ネットワークの改善、オートメーション、インセンティブなどを通じて産業全体での排出削減を推進していく方針だ。

(翻訳・山下にか)

原文はこちら

セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け

メールマガジンに登録

関連キーワード

セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け

メールマガジンに登録