卓球スター張継科選手のドリンクチェーン「猴子的救兵」 その成功を支えるブランドビジネス

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卓球スター張継科選手のドリンクチェーン「猴子的救兵」 その成功を支えるブランドビジネス

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参入ハードルの低い飲食業では、芸能人が続々とサイドビジネスを展開している。

フルーツを使ったニュータイプのティードリンクを提供する「猴子的救兵(Reinforcements of the Monkey)」はテレビなどでも活躍する卓球界のスター張継科選手によるビジネスだ。同ブランドは今年3月から加盟店を募集し、これまでに300店近くが契約、5月に第1号店が深圳にオープンした。提供される商品はフルーツティーやミルクティー、コールドプレスジュースなどのドリンクのほか、スフレといった話題のスイーツもある。価格は13~28元(約200~450円)で、二級から五級都市にフォーカスした大衆ブランドだ。

芸能人プロデュースのブランドというだけではなく、猴子的救兵を支える「インキュベートビジネス」も注目すべきポイントだ。

創業者の趙子坤氏によれば、ほかにも数名の芸能人と複数ブランドの立ち上げを企画しており、間もなく発表されることになるという。猴子的救兵と同様、芸能人は共同創業者という立場で、プロジェクトの選定から商品ポジショニング、マーケティングなどさまざまなプロセスに関わる。

1兆円を超える巨大なティードリンク市場

ティードリンク市場はすこぶる活況を呈している。

リサーチ企業「iiMedia Research」によれば、中国のドリンクスタンドは2018年に45万軒を超え、ニュータイプのティードリンク市場は900億元(約1兆4300億円)規模に上るという。「美団点評(Meituan Dianping)」の報告では、中国のティードリンク市場は2018年に爆発的な成長を遂げ、店舗数が1年で約70%も増加したという。

趙子坤氏によると、フルーツティーを選んだきっかけは張継科選手の実体験だったという。地方都市で試合に参加する際に手頃な商品やブランドが見つからず、ドリンクが充実している大都市に比べて大きく遅れていると感じたのだ。実際、地方都市におけるニュータイプのティードリンクに対するニーズは大きい。さらにフルーツティーはミルクティーに比べてヘルシーで、スポーツ選手のイメージにも合致する。

猴子的救兵の目標は「ネットで話題の人気店」になることだ。張継科選手のネームバリューで消費者をつかむだけでなく、店舗デザインや商品ラインナップにも工夫を凝らしている。例えば、店舗はモノトーンとシルバーで統一し、スタイリッシュな空間にしている。サイドメニューには、近年大ヒットしたものの地方都市では珍しいスフレをチョイスした。

店舗は15~25平方メートルで、小規模店舗なら開店コストは10万元(約160万円)足らず、標準店舗でも20万元(約320万円)程度。低コストで出店を急ぎ、3~6カ月以内の投資回収を目指す。

芸能人のネームバリューと運営スキル

芸能人は自分のネームバリューを活かしたビジネスを行いたいと考える。しかしイメージキャラクターを務めると、コントロールできない一定のリスクを伴ううえ、有名人イメージキャラクタービジネス全体も景気が下向きだ。これに対して、張継科氏自ら企画に加わったブランドは、情報をコントロールしやすく、自身のイメージを守ることができる。

趙子坤氏のチームはこれ以前に、火鍋デリバリー「淘汰郎(TAO TAI LANG)」をローンチし、「真格基金(Zhen Fund)」を始め複数のファンドから出資を受けた。チームはこれまでに230都市にまたがるチェーン店経営のノウハウを蓄積し、充実した加盟店へのサポート体制を有している。

飲食業は投資回収が難しいといわれるが、芸能人のネームバリューとチームの運営スキル、この2つを組み合わせて芸能人プロデュースのブランドを数限りなく生み出したいと、趙子坤氏は考えている。

このビジネスを展開できるのも、チームと芸能人の間に信頼関係があるからだ。芸能人は共同創業者としてブランド立ち上げに関わることに慎重だが、いったんブランドが成功すれば口コミで急速に広がることが期待できる。ティードリンクはここ数年急成長している分野で、成功する見込みは大きい。猴子的救兵が芸能人プロデュースの第1号ブランドになったのはそのためだ。そして新しいブランドが今後続々と発表されるのを、期待を抱いて待ちたい。
(翻訳・畠中裕子)

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