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中国IT大手テンセント(騰訊)傘下の「騰訊車聯(Tencent Auto Intelligence)」は5月22日、WeChat(微信)と車載端末を連携させる新たな車載サービスの提供を年内にも開始すると発表した。
雲南省昆明で同日行われた「騰訊全球数字生態大会(TENCENT GLOBAL DIGITAL ECOSYSTEM SUMMIT)」で、副総裁の鐘学丹氏が明らかにした。音声操作のみでWeChatメッセージの送受信ができるほか、WeChatの位置情報サービスを利用したカーナビゲーション、VoIP(Voice over IP)による音声通話なども可能。スマートフォンと連携して乗車時に自動ログインし、降車時には自動で接続を切断する。
しかし、この「車載版WeChat」は、同社が今サミットでさらなる進化を宣言した「コネクテッドカーのエコシステム」に関連するソリューションの一環に過ぎない。
同社はソリューションの進化の方向性として、(1)ドライバー1人ひとりに合わせた情報の提供(2)車体と各種端末との連携による常時接続状態(3)ドライブシーンに適したコンテンツの提供(4)多くの開発者に車載アプリの開発を促すアプリケーションフレームワークの提供――を掲げている。コネクテッドカー向けミドルウェアを構築し、テンセントのエコシステムが持つリソースを車載向けにすることで上記4点を実現しようとしているのだ。リソースには顔認証や指紋認証によるログイン、WeChatペイでの決済機能などが含まれる。
この車載サービスにより、ドライバーはWeChatのミニプログラム「我的車(My Car)」を使えば、モバイル端末と車体を連携させ、車に乗っていない時でも車のコンディションを確認したり、カーオーナー向けサービスをオンラインで予約したりすることができる。
開発者向けには、音声操作と車載マンマシンインターフェース(HMI)用にカスタマイズされたクラウド型軽量アプリケーションフレームワーク「騰訊小場景」をローンチ。ダウンロードやインストールの必要がなく、クラウド上での自動更新を可能にした。モビリティ、エンターテインメント、カーオーナー向けサービス、生活サービス、SNSの5大ジャンルを網羅する。
同社によると、これまでに自動車メーカー19社が同社とパートナーシップを結び、主要メーカー18社が同社の自動車用クラウドサービスを採用した。モビリティサービスのために導入したPOI(ポイント・オブ・インタレスト)は7000万カ所を超える。ガソリンスタンド9万8000カ所超、駐車場約10万カ所と充電スタンド22万カ所超の利用状況などを検索することができ、複数の洗車サービスチェーンが中国全土で展開する5万店余りの洗車場も利用できるという。
(翻訳・鈴木雪絵)
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