国内市場頭打ちで海外進出に活路、中国EC大手の「大航海時代」幕開け

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競争が激しく、人口ボーナスも頭打ちとなった中国ではアリババや京東集団(JDドットコム)などを主とするEC(電子商取引)プラットフォームが次々と海外に目を向け、新たな「大航海時代」の幕開けとなっている。

関連データによると、中国の越境EC取引額は2021年、前年比15%増の1兆9800億元(約37兆6200億円)にのぼり、そのうち輸出額は同24.5%増の1兆4400億元(約27兆3600億円)だった。中国企業情報サイト「企査査(Qichacha)」によると、現存する中国の越境EC関連企業は3万3900社。ここ数年間で越境EC企業は増え続けており、21年には1万900社が新たに設立され前年比72.2%増となった。

アリババは22年に海外事業を最優先課題とし、ブランドとしてのグローバル化に力を入れている。社内では組織の改編が行われ、傘下のECモール「淘宝(タオバオ)」「天猫(Tmall)」で総裁を務めていた蒋凡氏が今年初めに海外事業責任者に就任。同社傘下にはすでに越境ECサイト「アリエクスプレス(AliExpress)」、東南アジア拠点のEC「Lazada」、トルコ拠点のEC「Trendyol」があるが、11月末にはスペインでECプラットフォーム「Miravia」を立ち上げている。12月初めにはLazadaに3億4250億ドル(約456億円)を追加出資し、アリババが22年にLazadaに出資した金額は16億ドル(約2130億円)を超えた。

アリババ、スペインでECプラットフォーム「Miravia」を立ち上げ

2023年会計年度第2四半期(2022年7〜9月)の決算報告によると、アリババの海外事業売上高は前年同期比4%増の157億4700万元(約2992億円)だった。そのうち、海外向け小売事業は3%、海外向け卸売事業が6%の成長。海外事業は同四半期のアリババの売上高全体のうち8%を占めた。

同じくEC大手の京東は、海外進出にあたり物流や倉庫などにより重点を置いている。22年6月18日にリリースした越境BtoBサービス「京東全球貿」は北米や東南アジア市場を主な対象としている。京東は現在世界に100近くの保税倉庫、海外直送倉庫、海外倉庫を持っており、サプライチェーンサービスは世界230の国と地域をカバーしている。同社は22年6月、米国で初の自動化倉庫「洛杉磯2号(ロサンゼルス2号)」の運用を開始した。

EC事業では後発のバイトダンス(字節跳動)は巨大なアクセス量を誇る自社の動画投稿プラットフォームTikTokを足掛かりに、まずは海外でライブコマースへ参入。21年下半期には英国でEC機能「TikTok Shop」の運用を開始したが、出店条件が緩く管理がずさんで、偽物が多く販売されていたことから、現地ユーザーの不興を買った。TikTok Shopは22年11月に米国でも試験運用を始めている。米ブルームバーグによると、TikTokのEC事業の流通取引総額(GMV)は22年の目標を20億ドル(約2660億円)、23年には230億ドル(約2兆9900億円)としているという。このほか、バイトダンスは欧州向けのファストファッションECサイト「IfYooou」を立ち上げている。

TikTok、EC事業を強化 米国でも「TikTok Shop」を開設

アリババ、京東に続く中国第三の大手EC企業としてコストパフォーマンスに強みを持つソーシャルEC「拼多多(Pinduoduo)」は、22年9月に越境ECプラットフォーム「Temu」をリリースしている。11月にはダウンロード数が600万を超え、米国のAppStoreの総合ランキングでウォルマートやアマゾンを抑えてトップとなった。Androidアプリのランキングでもダウンロード数が2週連続トップとなっている。Temuも低価格戦略を採っているが、それに加えてリリース直後には大幅な割引や送料無料、返品交換無料などのキャンペーンも行った。Temuはすでにアフリカ市場にも参入しており、現在はカナダとスペインにも進出準備中だという。

中国共同購入EC「拼多多」、越境事業「Temu」開始 驚異的な低価格で米国で人気博す

もちろん克服すべき課題も多い。複雑で不安定な国際情勢に加え、欧米の厳格な品質管理やコンプライアンスへの対応、アマゾンやウォルマートからの反撃などは中国ECプラットフォームが海外進出する際の課題となるだろう。

作者:WeChat公式アカウント「娯楽独角獣(ID:yuledujiaoshou)」
(翻訳:山口幸子)

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