アディダスを超えた中国スポーツ用品大手「ANTA」、組織再編でグローバル展開を本格化

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中国スポーツ用品大手「安踏体育用品(ANTA Sports Products)」(以下、ANTAグループ)は1月18日、2007年に上場して以降で最大の組織再編と2月1日付の人事異動を発表した。

現・最高経営責任者(CEO)の丁世忠氏はCEOを退任し、董事会(取締役会)主席に留任する。同社は新たに共同CEO制度を設け、現・最高財務責任者(CFO)の頼世賢氏と現・競技スポーツ向けブランド事業群CEOの呉永華氏が共同CEOに着任する。中国のビジネスメディア「晚点(LatePost)」によると、新たに数人が各事業群のCEOや最高ブランド責任者(CBO)に着任したという。

今回の組織再編は、ANTAグループが進めるマルチブランド戦略やグローバル化戦略の一環だとみられる。同社は海外進出を本格化し、東南アジア国際事業部を設立することも明らかにしている。

ANTAグループは1991年に設立され、2007年に香港証券取引所のメインボードに上場を果たした。現在の時価総額は約3200億香港ドル(約5兆3000億円)で、中国のスポーツブランドとしては最大。世界的に見ても、米ナイキにはかなわないものの、独アディダスを超え、カナダのヨガウェアブランド「lululemon(ルルレモン)」に匹敵する規模となっている。

ANTA、中国スポーツ用品市場でトップに 設立31年目の快挙 

ANTAグループは2009年8月、イタリアの老舗ブランド「FILA(フィラ)」を約6億香港ドル(約99億6000万円)で買収し、中国での商標使用権など全ての権利を取得した。現在のFILAの売上高はグループ全体の4割以上を占めている。

2016年以降はマルチブランド展開を加速し、スキーウェアの「DESCENTE(デサント)」、テニス用品の「Wilson(ウィルソン)」、野球用品の「DeMARINI(ディマリニ) 」など欧米のスポーツ用品ブランドを次々と買収していった。19年にはフィンランドの「Amer Sports(アメアスポーツ)」を46億ユーロ(約6490億円)で買収。同社にとっても中国アパレル業界にとっても過去最大規模の海外企業買収となった。

同社はこのほか、アウトドアブランドの「ARC’TERYX(アークテリクス)」や「SALOMON(サロモン)」、スポーツウォッチブランドの「SUUNTO(スント)」なども傘下に収めている。

マルチブランド戦略で快進撃の中国スポーツシューズ・アパレル大手「ANTA」成功の理由を徹底分析。〜FILAを買収した受託製造企業がadidasを超えるまで〜 

*2023年1月31日のレート(1香港ドル=約16.6円、1ユーロ=約141円)で計算しています。

(36Kr Japan編集部)

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