「レディ・プレイヤー1」の世界が現実に? 「懶猫智能」がゲーム没入型のランニングマシンを開発

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家庭用フィットネスマシンを手掛ける米Peloton(ペロトン)が設立からわずか5年でユニコーン企業(評価額10億ドル以上の未上場企業)へと成長し、テクノロジーを活用したフィットネスへの注目度が高まっている。同社は、大型スクリーン付きのマシンで、自宅にいながら人気フィットネス講座がいつでも受講できる点に人気が集まり、急成長を遂げた。

中国のスタートアップ「上海懶猫智能科技(Shanghai Landmill Technology)」も同様の没入型フィットネスマシンを開発した。Pelotonと異なるのは、ゲームと連動させた点だ。昨年公開されたスピルバーグ監督作品「レディ・プレイヤー1」をご存知だろうか。バーチャルリアリティ(VR)の世界でバトルを繰り広げる人々を描いた物語で、主人公はランニングマシンに乗ってVR世界に没入する。懶猫智能が展開するランニングマシンはこの映画の世界を彷彿(ほうふつ)とさせる。

コンシューマー・エレクトロニクス(家庭用電子機器)として開発されたマシンのスクリーンには、ゲームのほか実写映像や地図をオンラインで映し出すことも可能。手すり部分にスイッチやセンサーが付いており、さながら大型ゲーム機のようだ。運動するほどゲームの経験値(EXP)が上がる仕組みで、例えばバーチャルペットを育てるにも相応の運動量が必要になる。将来的にはXbox(エックスボックス)のように複数でのプレーも可能にする計画だ。自らの足の力でベルトを回す自走式で、消費カロリーが電動式より30~40%高い。

創業者の房熠氏はゲーム業界を熟知した人物で、ランニングマシンには格闘系から癒し系までどんなゲームも合うとの見方を示す。将来的にはゲームやゲーム用デバイスなども収益源にしたい考えだ。ただ、自走式は市場が小さく、小売価格も1万元(約16万円)を超える。今後はポップアップ・ストアなどを通じて富裕層にアプローチしつつ、価格を引き下げた一般層向けの製品もリリースしていく。法人との提携や海外進出も視野に入れている。

最後に主な経営陣を紹介しよう。創業者の房氏は連続起業家で、VRやAR(拡張現実)、ゲーム開発などの分野で活躍してきた。ハードウエアの最高技術責任者(CTO)を担う黄超氏は大阪に本社を置くキーエンスで、米アップルとの提携事業に携わった経験を持つ。ソフトウエアのCTOは北京の首都師範大学でゲームや動画の研究室主任を務め、これまでに国際的なゲームの開発や制作を数多く主導した。
(翻訳・鈴木雪絵)

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