次はインド! スーパーアプリが誕生する6億人市場

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スウェーデン発の電話帳アプリ「Truecaller」は、迷惑電話のブロックに役立つとして、遠く離れたインドで大ヒット。今では総合生活サービス機能をもつ「超級応用(スーパーアプリ。大ヒットしたアプリを指す)」へと飛躍的発展を遂げた。この成功例から、インドの熱い潜在的な巨大市場をのぞいてみよう。

スーパーアプリの誕生

インドは中国に次ぐ世界第2位の巨大スマホ市場である。携帯通信事業者の国際業界団体「GSMアソシエーション(GSMA)」によると、インドのモバイル・インターネット人口は毎年6%増加し、2020年には6億7000万人に達する見込み。

この巨大市場を狙うネット企業は、モバイルアプリ事業を急ピッチで拡大している。ところが、インドの潜在的ユーザー層は貧しく教育水準が低い場合が多い。そのため簡単に操作できるツール的なモバイルアプリが求められている。

スーパーアプリが誕生したのは、インドに需要があったからだと同社CEOのアラン・マメディ氏は語る。

この巨大市場への入り口は、時代から取り残されたローエンド市場にある。簡単な操作で「消費」という新たな機能を追加し、ユーザーのニーズに応じたことが、インドにおけるスーパーアプリの誕生へと繋がったのだ。

ローカライズのポイントは、模倣・学習・応用にあり

インドでの市場開拓には、常にビジネススキームの構築という問題が立ちはだかる。技術には恵まれているが、未整備の市場に大手企業でさえも手を焼いているのだ。そんな中、インドで突如として成功をおさめたスタートアップ企業がTruecallerだ。

中国に目を向けてみると、インターネットの発展は人々のライフスタイルや国の運営体制までも変えており、一部の企業家たちはこれらの例がインドでも参考になると考えた。Truecallerは、中国のスーパーアプリ微信(WeChat)を参考に「オールインワン・ソーシャルアプリ」として、決済、ソーシャルビジネス、情報発信など、ユーザーの全ライフサイクルをこの中に取り込んだ。

一つのアプリ内で関連サービスを展開するだけでは、単なる中国企業の模倣にすぎない。次に必要なのは、インドのスタートアップの企業精神である創造と応用だ。現地の実情を踏まえた結果、現地ユーザーのニーズにマッチしたスーパーアプリのローカライズに成功したのだ。

ニーズを的確に捉え成長を遂げたインド企業には、1億5000万ユーザーを取り込んだモバイル決済アプリ「PhonePe」、乗車サービス「Ola」、格安ホテルチェーン「OYO」、オンライン旅行サービスの「MakeMyTrip」などがある。

大手ファンドが注目するスーパー資本市場

ペインキャピタル及びインドプライベートエクイティ・ベンチャーキャピタル協会(IVCA)が2018年に発表したレポートによると、インド市場向け投資はこの10年間で6倍に増加し、2017年までに34億ドル(約3600億円)となった。2018会計年度には、9兆インドルピー(約14兆円)の投資マネーがインド資本市場に流入したという。

インドの人口ボーナスと潜在的な巨大市場が、投資回収率を引き上げる。投資案件はボリュームより質を重視するものへと変化しており、スーパーアプリの「ベンチャー・エコシステム」が新たな投資マネーを呼び込んでいる。

潤沢な収益を求め、スーパーアプリが誕生

デジタル決済会社「Paytm」の創業者でCEOのビジャイ・シェカル・シャルマ氏はかつて次のように語っている。「アプリ内サービスの多様化に悩む必要はない。アプリで1日に一定数の決済があれば、決済数が減少している多くの企業に勝つことは難しくない。決済はアプリ市場の「外堀」のような存在であり、決済でユーザーを囲い込んだうえで、コンテンツ、エンタメ、生活サービス、ビジネス、金融サービスをオールインワンで提供すればよい。これが今のビジネスモデルだ」

膨大なユーザーをもつスーパーアプリの狙いは、固定ユーザー層が生みだす収益だ。ユーザーのマネタイズ(収益化)が、スーパーアプリの動力となっている。投資家が求めているものは、収益を生みだす源泉だ。

スーパーアプリのもう一つの狙いは、ユーザーの定着率を上げることだ。その行動を分析・理解し、新サービスにつなげることで、市場トレンドの最前線に立つことができる。

スーパーアプリが誕生したのは、このインドに巨大なモバイルアプリ市場があったからこそだ。

インドのスーパーアプリ革命は始まったばかりだ。今後どんな興味深いビジネスモデルが現れるのか期待したい。
(翻訳:貴美華)

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