生ビールのピックアップとデリバリーの「壹瓶好久」 luckin coffee方式を採用

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全国的に夏本番となり、ビールの販売にとっても一年で絶好の時期となっている。

1000億元規模(約1兆6000万円)のビール市場は、国内外を問わずハイエンド~ミドルレンジ商品へシフトしつつある。アメリカを例に取ると、プレミアムビールの市場シェア(生産量ベース)は12.3%、売上シェアは22%にも上る。中国最大手「華潤雪花」ビール(China Resources Snow Breweries)の今年の販売データをみても、1月~5月の総販売量の伸び率は約2%だが、中価格帯以上の商品の伸び率は5%以上、高価格帯商品での伸び率は15%以上となっており、このトレンドを異なる角度から裏付けている。

市場は好調ではあるものの、ビール消費における問題点は非常に明らかだ。まず、消費が不規則にならざるをえない点。ビールの消費シーンの多くは食事、イベントなど非公式な社交の場となっている。さらには、ビール消費は季節変動が大きく、夏季がビール消費の最盛期となっているほか、スポーツ競技の開催とも強い相関性を示している。

「壹瓶好久(yipinghaojiu)」は、ストア・ピックアップとデリバリーを主体とする新興コーヒーチェーン「瑞幸咖啡(luckin coffee)」の販売方式からヒントを得て、地域型店舗で生ビールの販売を行っている。消費者はオンライン注文後、来店して商品を受け取るか、あるいは配達サービスを利用することもできる。壹瓶好久は昨年春、山東省で限定的に試営業を実施し黒字化を実現すると、7月にはフランチャイズで全国的な拡大を進め、現時点で長江以北の都市で300店加盟を達成している。

同社は主に住宅街にある店舗を加盟店に選び、樽詰めビールの配送と設備を提供している。販売方式は、注文を受けてからボトルにビールを充填し、提供するものだ。ビールの種類も黒ビール、白ビール、フレーバービールなどさまざまで、小売価格は1リットルあたり約22~35元(約350~560円)だ。売れ行きの良い店舗だと最速2カ月で投資コストが回収できるという。

生ビールは低温殺菌処理をしていないため一部の酵母が残り、缶ビールよりフレッシュな味わいが楽しめる。ただし、保存期間が短いことがデメリットで、冷蔵で3日前後の保存しかきかない。このため、生ビールの量産化においては配送問題の解決が必須となる。

壹瓶好久の創業者である姜洪国氏は、かつては青島ビールの樽詰め商品の代理店を営んでいた。青島ビールは全国に分布する生産ラインのうち15本で壹瓶好久との提携を実施しており、各生産ラインの半径500キロへの配送が保証できるため、生ビールの味わいの劣化や配送距離の問題がほぼ解決できている。

壹瓶好久は「消費量の変動」という課題の解決に向け、立地を住宅街に集中させる戦略に加え、コミュニティを単位とした「ビール団長」制度を展開している。団長に認定されるには、オンラインで一定額をチャージする必要があるが、友達を紹介するごとにポイントバックが受けられる。商品の受け渡しを担う店舗とは別に、独立してプロモーションを担う存在だ。姜氏によると、6月にこの制度を開始して以降、利用者はすでに4万人を超えているという。

「浪花鮮醸(WAVEBEER)」も同様の出店モデルを採用し、住宅街やビジネス街周辺で簡易的な店舗ネットワークを構築している。消費者はミニプログラムを通じてオーダーし、店頭受け取りか配達を選択でき、500mlから購入が可能だ。浪花鮮醸の課題としては、注文のほとんどがデリバリーで、ピックアップの割合が低い点がある。また、ビールのデリバリーはフードデリバリーに比べ需要が安定していない。利用者の消費が習慣化されていない状況では、注文件数の変動がやや大きい。

一方で、壹瓶好久の店舗はフランチャイズ方式を採用しており、経営側は店舗の賃料を負担する必要がなく、フランチャイズ料も受け取れる。また、青島ビールとの独占提携関係が、同社にとって強力な後ろ盾となっていることは明らかだ。ただし、食事やコーヒーに対するニーズとは異なり、ビール消費の変動は依然として予測不能で、この点が同社の今後の課題ともなっている。
(翻訳・神部明果)

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