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自動車のLEDライトシステムを開発する中国企業「晶合光電(JHETECH)」がこの頃、シリーズBで数千万元(数億~十数億円)を調達した。出資を主導したのは博将資本(Bojiang Capital)。
晶合光電はこれ以前にも、2021年12月に検索大手百度(バイドゥ)傘下の百度風投(Baidu Ventures)が主導するシリーズA+、22年7月にスマートフォン大手の小米(シャオミ)系列の小米智造基金が主導するシリーズA++で、累計1億元(約20億円)以上を調達した。
2011年に設立された晶合光電は自動車用LEDライトシステムのソフトウエアとハードウエア一体型ソリューションを提供している。ハードウエアのアクチュエーター、発光モジュール、ドメインコントローラ、ソフトウエアのOTA(Over The Air)などに加え、全般的な技術サービスを手がけている。
自動車のスマート化が進む中、LEDインテリジェントライトも自動車メーカーが手がけるスマート化の重要な手段となりつつある。晶合光電は自らの役割をこれまでの「ティア2(二次下請け)」から「ティア0.5」へと変え、指定サプライヤーとなって自動車メーカーと連携しながら設計、研究開発、生産を進めるほか、生産後のアフターサービスも提供する。
同社のプロダクトは新興EVの小鵬汽車(Xpeng)や哪吒汽車(Neta)、広汽集団(GAC)、中国一汽(FAW)、奇瑞(Chery)、吉利(Geely)など主要メーカー10社以上に提供され、「小鵬G9」「哪吒S」など30を超える車種に搭載されている。
晶合光電の余濤会長によると、小鵬G9に搭載されているテールライト(尾灯)は、100段階の明るさ調整、故障の監視・診断、アニメーションの設定などができる上、無線通信でデータを送受信するOTAによりユーザーのスマートフォンを通じて随時アップグレードが可能。
新車の量産に合わせるため、同社は2022年後半に数千万元(数億~十数億円)を投じて生産能力拡張の第3期工事を終え、売上高にして10億元(約200億円)相当の生産能力を構築した。現在は16本の表面実装(SMT)生産ラインを有し、うち12本は新工場のハイエンド生産ラインで、オムロン製の基板外観検査装置(AOI)が標準で採用されている。
第3世代にアップグレードされたドメインコントローラーは、外装ライトと電力の出力を制御できる。また、マトリクスLED地上投影モジュールを独自開発し、幅の表示、横断歩道の照射、ナビゲーション対応のルート誘導といった投影を可能にした。
余会長によると、自動車のLEDライトシステムは、車外への情報伝達だけでなく、車室内のコミュニケーションにも役立ち、スマートコックピットシステムを補完する重要な働きがあるという。
同社は現在、ドライバーモニタリングシステム(DMS)や同乗者モニタリングシステム(OMS)を含む車室内モニタリングシステム(In-cabin monitoring System 、IMS)も手がけており、最新の顔認識、音声認識、表情認識、ジェスチャー認識を組み合わせ、エッジAIコンピューティング技術によってマルチモーダルセンサーフュージョンを実現した。
余会長は「当社がフォーカスしているのは室内灯を活用したインタラクションとエンターテインメントで、自動運転やドライバーの疲労検知などとは一線を画する」と話す。例えば同乗者モニタリングシステムでは、顔認識システムとシートセンサーで乳幼児が乗っていることを検知すると、車外ディスプレイに「baby in car」のサインが自動的に表示される。
同社は昨年後半からAIアルゴリズムに関する人材採用とプロダクト開発を急ピッチで進め、自動車メーカーとの提携プロジェクトを展開しているという。
(翻訳・大谷晶洋)
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