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中国の自動車メーカー「上汽通用五菱汽車(SGMW)」の超小型電気自動車(EV)「宏光MINI EV」は、2020年7月に市場に投入されて以降、長期間にわたって中国の新エネルギー車(NEV)市場のトップに君臨してきた。宏光MINI EVは、2万8800元(約57万円)からという格安価格に加え、全長3メートル未満・ホイールベース2メートル未満の小さなボディで、超小型EVブームを巻き起こし、「神車」と呼ばれた。公式発表によると、同車の最高月間販売台数は5万600台、NEV販売台数ランキングで28カ月連続1位を達成している。
ところが、宏光MINI EVの販売台数は22年末以降、減少に転じている。23年1~4月の販売台数は前年同期比26.5%減の8万7900台だった。うち、3月の販売台数は前年同月比44.8%減と、中国自動車市場で最大級の落ち込みを見せた。
市場全体の見通しも楽観視できない。中国で「A00クラス」と呼ばれる小型NEVセダンの23年1~3月期の販売台数は前年同期比55.1%減の13万1000台で、全クラスで最大の落ち込みとなっている。小型NEVに対する熱は冷め始めたようだ。
しかも、宏光MINI EVと競合する車種は多い。例えば、吉利汽車(Geely Automobile)の「熊猫mini」、長安汽車(Changan Automobile)の「Lumin」、BYDの「海鴎」などだ。
日本経済新聞によると、名古屋大学は同車を分解・調査したところ、SGMWがコスト抑制のため、エネルギー回収システムを採用せず、寿命が短いインバーターと、安価なコンシューマー向け半導体を搭載したことが明らかになった。それでも、車全体の基本コストは2万6900元(約53万円)に達し、1台あたりの利益はわずか88元(約1730円)しかなかったという。財通証券(Caitong Securities)による別の試算では、同車1台当たりの粗利益率は2~3%だという。
*2023年5月24日のレート(1元=約19.7円)で計算しています。
(36Kr Japan編集部)
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