16兆円規模の中国美容市場狙い、オンラインとオフラインを統合する「線美中国」の戦略

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美を愛する心は万人共通だ。それが中国の美容市場を1兆元規模(約16兆円)に押し上げ、急速に発展させている。フードデリバリーを中心に生活関連サービスを手がける「美団点評(Meituan-Dianping)」の推計によると、昨年の中国美容市場の規模は1兆3000億元(約20兆8000億円)、年平均成長率は15%だ。美容産業をめぐるスタートアップは枚挙にいとまがなく、中でもオンラインプラットフォームでは美容医療の「新氧(SoYoung.com)」「美唄(meb.com)」、肌診断やメイクシミュレーションができる「美到家(meidaojia.com)」などの人気サイトがいくつも誕生している。

ただし、こうしたオンラインプラットフォームが占める市場シェアはごくわずかであり、オフライン市場がいまだに主流となっている。だが、オフライン市場にも過度の同質化、サービスの分散化(利用者はサービスごとに店舗を渡り歩かなければならない)、小規模事業者が多いなどの構造的な問題が無数に存在している。美団点評のデータでは、年商10億元(約160億円)以上の企業は10社以下だ。また美容関連の店舗は入れ替わりが激しく、廃業率も高止まりが続いている。

美容市場の新たなチャンスとは一体何か。美容を中心とした生活関連サービスを手がける「成都線美互聯網科技有限公司」(線美中国、BEAUTY BIOOMING)は、現在の美容市場にはオンラインとオフラインを全てカバーする体制が整っていないとみている。このため、同社はオンライン(美容に関するビッグデータの統合整理)とオフライン(利用場面の集積)の全領域を網羅する体制を確立し、美容資源を統合して、業界関係者と利用者により便利なサービスを提供することに乗り出した。具体的な内容は次の通り。

■オンラインではアプリ「線美雲図」を開発し、デジタルマーケティング、ブロックチェーン、人工知能(AI)、ビジネス・インテリジェンス(BI)などの技術を集結し、オフライン店舗の集客や統合計画をサポートする。

■オフラインでは買収や新規出店などにより、美容医療、美容全般、総合保健管理、商業施設内のセレクトショップなどで「線美」のチェーンストアブランドを確立する。チェーンストア体制を整え、各店舗に3Dデジタルマーケティング、IoT(モノのインターネット)、SaaS、AIなどの技術を導入する。

線美中国執行董事の馮浩氏は、美容に関する消費者のニーズは千差万別であり、美容サービスの質の向上には消費者のニーズと店舗のサービスとの的確なマッチングが不可欠との見方を示す。また、美しくなるためのニーズは総合的なもので、タトゥー、ネイル、美容、整形などにも及ぶ可能性があると指摘。単一のニーズに絞っているようでは市場の先行きは限られ、顧客開拓も難しいとし、「美容業界の統合は必然的」だとした。

同社のアプリ「線美雲図」は今年6月にリリースされた。直営店舗と条件を満たす他社店舗を対象とした「1万店オンライン化計画」をすでに始動させており、3カ月以内に完了する予定。線美中国はアートメイクやタトゥーの「亜州紋繍網(asianwenxiu)」、痩身サービスの「痩動全城(SHOUDONGQUANCHENG)」などと戦略的提携を結んだほか、美容医療、整形、再生医学、生命科学研究などの分野で1000件を超える出資やM&A(合併・買収)を完了することで、オフラインでのサービス網を構築した。馮氏は2019年の投資額について、直営店の出店と店舗買収で10億元(約160億円)に上るとの見通しを示している。

同社の創業者兼董事長の龍子熙氏は著名な美容家だ。広東省美容・美髪・化粧品業界協会副会長を務め、美容業界で15年以上のキャリアを持つ。共同創業者の冉旭東氏も美容家として有名だ。馮氏によると、同社の株主もみな美容業界に対する知見があり、同社の事業をサポートする力を十分に備えているという。

同社はすでにシリーズAで5000万元(約8億円)を調達しているほか、韓国の財団と2億1000万元(約33億6000万円)相当の投資に関する意向表明書を交わしている。
(翻訳・池田晃子)

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