有名人のイメージをIPビジネスへ、デジタル時代における知的財産権の新商機

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有名人にまつわるデジタル資産は、知的財産権における未開発分野の一つだ。

最近の例として、著名映画監督ジェームズ・キャメロン氏が設立に加わったマルチメディア企業「デジタル・ドメイン(Digital Domain)」がテレサ・テンやマイケル・ジャクソンといったスターのデジタル映像資産の使用契約を結んで、ホログラフィック・コンサートを開催したことがあったが、中国でもこの分野での取り組みが行われている。スターや有名人のIP(知的財産)運営企業である「分享時代科技(Sharetimes Tech)」も同業界に参入している一社だ。

同社は2011年創業の知財(IP)テック企業で、俳優やMC、アスリートなどのスターや企業家など300以上のIP(年末には契約数が500に達する見込み)と契約しており、彼らのバーチャルイメージを形成するためのキャラクターデザインやフォーマット化などを支援している。契約IPを漫画やアニメのキャラクター化したり、顔や姿をデジタルデータ化してVR(バーチャル現実)やAR(拡張現実)などの制作を行う。

分享時代の創業者兼CEO・王鑫氏

王氏によると、同社とスターの契約期間は最短5年で、製作したアニメや漫画などのコンテンツの版権は同社に属する。多様な形態のコンテンツを開発し、ライセンス付与、プラットフォームやチャネルを介した提携などが可能で、最終的に小説や漫画、動画、映画、グッズなどの商品化を経てあらゆる産業に提供する。

これまで、中国のスターの収入はドラマや映画、広告の出演料といった芸能活動によるものであったため、時間的制約を考えると芸能活動で得られる収入には限界があった。分享時代はまさにその点に着目しており、スターが有するIPの価値を高めると同時に上記の問題を解決する。

分享時代は契約したスターのために、IPのコアバリューのブラッシュアップや、バーチャルイメージの制作を行い、既存のファンを呼び込んでスターの時間を有効活用すると同時に、多様なビジネス活動に参加できるようにサポートする。

王氏によると、同社はスターやタレントにIPとしての価値を高めるというメリットを提供しているため、彼らに対して高額な契約料を支払う必要はない。契約期間中の収益は、一定の比率で双方で分け合うという。

同社は5年間をかけて、アニメキャラ化された契約スターたちが共演するSFヒーロー作品「星迷宇宙(Star Overpower)」を製作した。登場人物のキャラクターデザインを約20人編成のチームが手掛けている。完成後にブランドライセンス契約が行われた。同作は、テンセント(騰訊)の「騰訊動漫(TENCENT ANIMATION & COMICS)」やネットイース(網易)の「網易漫画(NetEase Comics)」など、複数の漫画アプリに掲載されており、総閲覧回数は1億回を超えている。同社は提携する各スターの「二次元(漫画・アニメ)化」を進めた後、さらに各IPの特徴に合わせて、多様な業界でさらなる販路の開拓を行っている。

例を挙げると、人気司会者の杜海涛氏をバーチャルイメージ化した「涛涛熊」を2016年に誕生させており、これまでに涛涛熊が登場する51のゲームや漫画、動画コンテンツが制作されている。また2017年から展開している関連商品は、食品やフィギュアなど23品目300種類にわたって販売されている。商品の中には1年の契約期間で販売量が7倍になったものもあるという。

王氏によると、事業を開始した頃はスターとの契約や主要なブランドパートナーの確保に力を注ぎ、商品の品揃えとその販路をを結び合わせたという。この基盤があれば、契約IPの数が将来的に増えても、精度の高いビジネスマッチングを図ることができるという。
(翻訳・虎野)

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