3D医療画像とMR(複合現実)で脳外科手術をサポート、臨床現場ですでに実証

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今年初め、複合現実(MR)技術の医療活用を目指す「華寧全視(Huaning Quanshi)」がシードラウンドで「中信双創(CITIC Startup)」から100万元(約1600万円)を調達した。華寧全視の総経理を務める任臻氏によれば、同社は主に医療画像の3D再構成技術と複合現実技術を活用して、3Dホログラムで手術シーンを再現し、医師が空間認識能力を高めて実際の手術に生かせるようにしている。

さらにヘッドマウントディスプレイを装着することで、患者の頭蓋内組織をリアルに再現し、病変部位をあらゆる角度から観察することができる。これにより医師は、手術前に病巣の位置を正確に把握し、切開を最小限に抑えることができる。任氏によれば、この技術は脳出血などの治療で行われる脳室穿刺手術にすでに応用されているとのこと。

高齢化が進み、生活習慣病の患者が年々増加している中国では、脳出血の患者数が毎年150万人以上に上っている。脳出血の治療では、脳室穿刺手術を行って速やかに頭蓋内圧を下げることが一般的だ。

手術が十分な効果を上げるためには、まず病巣位置を正確に特定することが必要になる。現在、脳の病変部位を特定する方法は主に2種類ある。1つは画像や脳溝・脳回、頭蓋骨の特徴から位置を特定する方法だが、低侵襲手術や精密医療が進んだ今の時代には適合しなくなっている。もう1つはフレーム固定による定位的脳手術装置や手術用ナビゲーションシステムだ。これらの方法は非常に精度が高く、脳深部にある微小な病巣を特定するのに特に有効だが、設備の操作が複雑で時間がかかるうえ、ナビゲーションシステムは300万~600万元(約4700万~9500万円)と非常に高価なため、短期間に広く普及させることは難しい。

華寧全視は複合現実技術を活用して患者の脳を再現する方法を開発、費用を抑えつつ医師が効果的に穿刺手術を行えるようサポートしている。

任氏の説明によると、複合現実技術と脳室穿刺を組み合わせた手術は、すでに首都医科大学宣武医院で数十件行われているとのこと。臨床現場での現実性と信頼性はすでに実証されており、その成果は学術誌「中華神経外科雑誌(Chinese Journal of Neurosurgery)」でも発表された。同社の開発チームはすでに頭蓋骨3Dモデルと患者を自動で重ね合わせるレジストレーションアルゴリズムを完成させており、今後はさらなる研究を重ね、手術計画や講義、手術用ナビゲーションなどへの応用を目指す。

同社は中国語の3次元再構成ソフトウェアおよびマイクロソフト社のHoloLensを活用した穿刺ナビゲーションソフトウェアを自社開発し、4件のソフトウェア著作権を保有し、関連する特許も申請中だ。今後は設備の販売、年単位・プロジェクト単位の提携サービス、カスタマイズサービスの三本柱で収益を上げていくという。現在は新たな資金調達に動いている。
(翻訳・畠中裕子)

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