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8月7日、配車サービス最大手「滴滴出行(Didi Chuxing)」と不動産系コングロマリット万達集団(ワンダ・グループ)傘下の「万達酒店及度暇村(WANDA Hotels & Resorts)」が戦略提携の実施を発表した。両社は主にモビリティとホテル関連サービスの一体化、会員特典の共有、共同マーケティングなどで協業を進める。
「滴滴豪華車(DIDI LUXE)」事業部の楊楠総経理はサービスの一体化に関し、「今回の提携ではワンダホテルの利用客を対象に、当社のラクジュアリーカー専属の空港手続アシスタント、専用車での空港送迎、専用の安全検査ファストレーンなどのサービスを提供する」と述べている。
移動手段と宿泊をめぐるニーズには密接な関連性がある。滴滴の統計データによると、ホテルでタクシーを呼ぶ顧客は空港を利用する機会が多いため、ラグジュアリーカー利用客のための空港サービスに力を入れたという。
今回の提携により、ワンダホテルのコンシェルジュサービスで配車代行サービスが提供されるようになる。またホテルから空港や観光地など主要目的地までの所要時間をリアルタイムで表示する「滴滴ステーション」が設置され、ドライバーも利用者の乗車位置を正確に把握することができる。
特典に関しては、滴滴会員は「万悦会(ワンダクラブ)」の各種会員サービスが、ワンダ会員も滴滴の無料アップグレードや割引など滴滴会員の特典が利用できるようになる見込みだ。
DIDI LUXEは2017年5月に正式にローンチされ、北京を皮切りに上海、深圳、広州、杭州でも相次いでサービスを提供してきた。同社によると、この業務は「5つ星クラスのモビリティサービスブランド」というコンセプトに基づくもので、「司務員(DiDi Chauffeur)」と呼ばれる専門ドライバーがサービスを提供し、ベンツEクラス、BMW 5シリーズ、アウディA6といったラグジュアリーブランドの中・高価格帯の車種が使用されている。
ミドル・ハイエンドクラスの顧客に向けたカスタマイズサービスという位置付けで、DIDI LUXEはこれまで順調に業務を拡大してきた。2017年9月には、ラグジュアリーカーを2回以上利用すれば運転手の指名が可能となり、2018年1月には希望に添ったサービスプランの選択に加え、事前電話サービスや車内BGMのリクエストなども加わった。
今回の滴滴とワンダの提携が実現した要因として、第一に両社の各領域でのポジショニングが一致している点が挙げられる。滴滴の「礼橙専車」やDIDI LUXEといったサービスの利用客は、ワンダホテルの顧客層と重なる。このため、両社の協業はブランドイメージの向上やエンゲージメントのさらなる強化にとってメリットがある。
加えて、両社の業務内容には以前から関連性があった。ワンダホテルを乗車場所とする滴滴のラグジュアリーカーサービスの利用は1日当たり平均2万件を超えており、これが両社のワンストップサービスの基盤となっている。
ワンダにとっては、今回の提携がサービスシーン拡大のチャンスともいえる。同社の寧奇峰総裁は「ワンダホテルは一貫してユーザーエクスペリエンスを重視してきた。ハイクオリティな宿泊体験に加え、各種モビリティシーンにまでサービスを拡大し、滴滴と提携することでより便利で質の高いスマート化された体験をお客様に提供していきたい」と語った。(翻訳・神部明果)
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