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日本でも大ブームとなったタピオカミルクティーを筆頭に、中国ではさまざまな趣向を凝らしたオリジナルティーがトレンドとなっている。多くのチェーン店が存在する中、その代表的ブランドの一つとなった「楽楽茶(LELECHA)」が、上海に初の大型店「楽楽茶製茶楽園(LELECHA.PARK)」を開業した。新たなフォトジェニックスポットとして若者を中心とした行列店になっているという。
1000平方メートルに及ぶ広大な店内ではお茶にまつわるさまざまな関連商品を取り扱い、茶葉の選定から焙煎までの各製茶工程も展示されている。 さながらライフスタイルショップの様相だ。オリジナルティーのほか、ジェラート、アイスキャンディ、パン、パイ、ケーキ、スフレ、コーヒー、薬膳茶など、楽楽茶が展開する11のサブブランドが出店し、100種類以上の商品が並んでいる。
こうした茶飲料ブランドの多くはスターバックスコーヒーをベンチマークとし、店舗空間やUX(顧客体験)に工夫を凝らしているほか、続々と高級大型店の出店に踏み切っている。楽楽茶のみならず、「CoCo都可(ココトカ)」、「813芭依珊(BAESAN)」、「奈雪の茶(NAYUKI)」なども同様だ。
楽楽茶の看板商品はオリジナルティーと欧風ソフトブレッドだ。オリジナルティーはクリームやチーズ、フルーツなどを用いたなじみのある商品以外に、ビールやカクテルをモチーフとした商品や、スムージー風の商品などが並ぶ。ベーカリーではフランスのミシュランシェフ、クリストフ・デュフォセ氏とのコラボ商品も販売する。
バーや茶房の形式を初めて取り入れた同店内では、客が自分で茶葉を選んで淹れるスタイルも採用している。さらに、茶器や茶葉なども購入できる。
しかし、大型店を出店するには多くのリソースが割かれるうえ、リスクも高い。米紙ウォール・ストリート・ジャーナルによると、スターバックスコーヒーも高コストや経営リスクを理由に、大型店「スターバックス リザーブ ロースタリー」の出店計画を見直しているという。
資金面を考慮するなら、出店場所もコストパフォーマンスを優先することになるだろう。ある商業施設の関係者によると、茶飲料ブランドの出店は集客効果が見込めるため、多くの商業施設はテナント料を安くして呼び込んでいるという。
一部の茶飲料ブランドは、大型店を出店すると同時に、これまで展開してきたスタンド形式の小規模店舗でも新たな業態を生みだしている。人気チェーン店「喜茶(HEYTEA)」は、ミニプログラム経由で受注し、完全キャッシュレス決済を採用した新型店舗「HEYTEA GO」を開業している。
つまり、同業界のプレーヤーはいずれもブランドの影響力を拡大するだけではなく、新鮮な購買体験を仕掛けて顧客の心を掴まなければならなくなっている。それと同時に事業規模を拡大し、身軽なテイクアウト専門店を通じてより多くの消費シーンを網羅し、坪効率を上げていかなければならない。ビジネスシーンでの需要が高いコーヒーに比べて、ミルクティーなどの茶飲料はオフの日に需要が高まるため、多様なシーンが演出できる。
また、ドリンク類は若い顧客を呼び込むことができるため、多くの大手飲食企業が進出してきている。火鍋チェーン「呷哺呷哺(xiabu xiabu)」や「海底撈火鍋(かいていろうひなべ)」は、辛い火鍋を食べた後の口直しとしてミルクティーを売り出し始めた。また、スターバックスコーヒーやluckin coffee(瑞幸咖啡)などのコーヒーチェーンまでもがティー飲料に食指を伸ばしてきている。
いずれの企業もより新鮮な切り口や新しい商品、常に変化を持たせた店舗形態で消費者を惹きつけ続け、競争に勝ち、次の資金調達やより高い評価額へ繋げていかなければならない。安定して質の高い茶飲料を提供し、コスト構造を最適化し、サプライチェーンを統合していくことが、どのプレーヤーにとっても課題だ。
目新しいアイディアは一時の興味を惹くかもしれないが、長期にわたってブランドを維持していく方法にはなり得ない。
(翻訳・愛玉)
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