イーロン・マスク最新預言「ロボットが人類の数を超え生産性は劇的に高まる」

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米電気自動車(EV)大手テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は7月6日、中国上海市で開かれた世界人工知能大会(WAIC2013)にビデオメッセージを寄せ、AIや自動運転技術について今後の展望を語った。

マスク氏は、人類は現在大きな変革の時期に差し掛かっており、未来には大量のロボットと共存する可能性があると指摘。今後あるタイミングで、ロボットと人類の比率は1対1を超え、ロボットの数が上回るようになると予測した。また、そうなった時点で全世界の生産効率は信じられないほどの水準に達しており、「人類は欲しい商品やサービスの全てを極めて簡単に手に入れられるようになっている」と述べた。

テスラは昨年9月30日に開いた「Tesla AI Day 2022」で、二足歩行のヒト型ロボット「Optimus(オプティマス)」の試作機を披露した。それ以降、マスク氏は頻繁にロボットについて言及し、「将来的にロボットの需要は自動車をはるかに上回るようになるだろう」と自身の考えを表明してきた。

しかし、マスク氏のAIに対する姿勢は依然として慎重だ。今回の世界AI大会では、ロボットは実効的な管理・監督下で運用されるべきだと指摘。テスラのヒト型ロボットは、人間の代わりに単調で反復的な作業や危険な任務を担当することを目的としているため、さほど高い知性は必要ないと強調した。

また、テスラも汎用AIには注目しているとしつつ、汎用AIを秩序的に用いるためには、効果的な管理・監督が必要だとの考えを示した。

もちろん、マスク氏は自動運転技術についても言及し、テスラは喜んで自社の自動運転技術を他社に供与すると説明した。また、同社が米国で実施している路上走行試験では、すでにほとんど人間が介在していないとした上で、「テスラは今年後半にもレベル4またはレベル5の完全自動運転を実現する可能性が高い」との見通しを示した。

同氏は今年6月末に自身のSNSで、テスラの先進運転支援システム「FSD(フルセルフドライビング)」の次世代バージョン「FSD V12」からベータ版指定を外すと明らかにしていた。世界AI大会での発言と考え合わせると、テスラは年内にも北米のユーザーに向け、FSDの正式版をリリースする可能性が極めて高いことが分かる。

FSDは、テスラの先進運転支援システム「Autopilot(オートパイロット)」のアップグレード版で、人間が一切介在しない完全自動運転を目指している。しかも、人間が運転するよりも安全な走行が可能になるという。FSDのベータ版は、2020年に一部のユーザーに提供されて以降、これまで10回以上のバージョンアップを重ねてきた。マスク氏の以前の発言によると、FSDのベータ版のユーザーによる累計走行距離は、すでに1億9000マイル(約3億キロメートル)に上っている。

マスク氏が世界AI大会に参加したのは3回目で、過去2回ではAIの発展や人類の火星移住など、時代の一歩先を行く予測を示していた。それに比べれば今回の発言は控えめで、一部の技術に言及するにとどまっている。「私のこれまでの予測には間違いも多かったが、FSD(の正式版のリリース)が年内に実現するという予測は、非常に説得力があるはずだ」と述べた。

マスク氏は最後に、テスラの中国チームにも賛辞を送り、「中国が本気で取り組めば、経済分野でもAI分野でも素晴らしい成果を挙げられるだろう」とメッセージをしめくくった。

(翻訳・田村広子)

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