バイドゥが2019年Q2決算報告を発表 事業の低迷が顕著だったQ1から復調の兆し

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北京時間8月20日、バイドゥ(百度)が今年第2四半期(4~6月)の決算報告を発表した。

監査前の数字だが、第2四半期バイドゥは売上高が263億元(約3950億円)に達し、前年同期比1%増、前期比9%増で、市場予想の257億6800万元(約3865億円)を上回った。営業利益、純利益ともに赤字だった第1四半期(1~3月)と比べて、今四半期は一定の復調が見られた。

同社は第1四半期に2005年以降初となる四半期赤字を計上した。第2四半期は営業利益が2億3300万元(約35億円)まで回復したとはいえ、前年同期比96%減少だった。非GAAPベースで、第2四半期営業利益は19億6000万元(約294億円)で、前年同期比70%減だった。

利益指標では、純利益は24億元(約360億円)で、前年同期比62%減だったとはいえ、前期比では62%増だった。非GAAPベースで、純利益は36億3000万元(約544億5000万円)で、前年同期比53%減だった。

1株当たり利益では、同社の第2四半期は調整後の1ADS(米国預託株式)当たりの収益が6.57元(約99円)で、市場予測の6.27元(約94円)を上回ったが、前年同期の18.14元(約272円)から64%減だった。非GAAPベースで、1ADS当たりの収益は10.11元(約151円)で、前年同期の21.83元(約327円)から54%減だった。

中核事業で、検索サービスと取引サービスを組み合わせた「バイドゥ・コア(Baidu Core)」は第2四半期も成長が振るわなかった。同事業の売上高は195億元(約2925億円)で、前年同期比2%減だった。同社の中核事業による純利益は37億3000万元(約559億円)で、前年同期比54%減だった。

バイドゥの今年第1四半期の決算報告発表時には、向海龍前総裁の辞職も発表されたが、検索サービス企業からモバイルエコ事業グループ(MEG)への転換を図った後、同社のコンテンツエコシステムが決算報告の重点になった。同社の第2四半期の決算報告でも同社のアプリ、ミニプログラムなど中核事業のデータを示している。

6月時点で、アプリのデイリーアクティブユーザー(DAU)は1億8800万人で、前年比27%増だった。スマートミニプログラムのマンスリーアクティブユーザー(MAU)は2億7000万人に達しており、前四半期比49%増だった。バイドゥ(百度)が提供する個人ユーザー向けメディアプラットフォーム「百家号(Baijiahao)」のコンテンツ製作者数は220万人に達した。

「アクセス数の急増およびモバイル収益システムの持続的な拡大に伴い、我々は収益力の向上を目指し、顧客の投資回収率を上げ、株主により多くの価値をもたらすことに注力するつもりだ」と同社の最高財務責任者(CFO)を務める余正鈞氏は語った。

同社が力を入れているAI業務の分野では、スマートスピーカー事業が好調な様子を見せている。シンガポールの調査会社Canalysや米国のStrategy Analyticsのデータによると、スマートスピーカー「小度智能音箱」が2四半期連続で中国シェアナンバーワンに輝き、またアマゾン、グーグルに次いで世界第三位につけた。

自動運転分野に関して、バイドゥは決算報告で「中国第一汽車集団(FAW)」が6月よりバイドゥが手掛ける自動運転車開発向けオープンプラットフォーム「Apollo(アポロ)」の自動運転技術を搭載したタクシーの量産化に入ったと発表した。バイドゥは湖南省長沙市で中国初の自動運転タクシー計画を着実に進めているという。6月時点で、同社のアポロ試験車チームによる走行距離は200万キロを超えており、13都市を網羅している。7月までに同社は、「自動運転テストのためのテスト用臨時ナンバープレート」を100枚獲得している。

しかし、同社の自動運転事業に分社化の可能性が浮上している。あるメディアの報道によると、同社の無人運転の関連部門が来月に分社化されるという。

この四半期の決算報告が終わった後、バイドゥCEOの李彦宏氏は、「これまでの間、厳しい外的要因と軟調なマクロ環境にさらされたため、当社では組織構造、人事異動、業務調整などの大きな改革を実施した。これらの改革には段階的な痛みが伴うが、よりポジティブで大きな影響をもたらし、バイドゥをより安定させ、より遠くまで歩ませることができる」と語った。
(翻訳・虎野)

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