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中国通信機器大手のファーウェイ(華為技術)は今月4日に開催した開発者会議(HDC)で、独自のオペレーティングシステムの最新版「HarmonyOS 4」を発表した。19年リリースのHarmonyOSは、これまでに7億台を超えるデバイスに搭載されたという。
今回のバージョンアップで最大の目玉は大規模言語モデルが導入されたことだ。
同社コンシューマー・ビジネス・グループの余承東(リチャード・ユー)CEOは、HarmonyOS 4のスマートアシスタント「小芸」に大規模言語モデルを導入したと紹介。 アップグレードされた小芸は、より自然でスムーズな対話、情報検索、要約生成、多言語翻訳などが可能になった。
新しくなった小芸は自然言語理解が強化されたため、ユーザーは日常的な表現でコミュニケーションが取れるようになった。例えばユーザーが「リアルタイムで天気が分かる壁紙にしたい」と話しかけると、HarmonyOS 4で新しく導入された「天気ライブ壁紙」を使うことができる。また、画像認識能力も向上しており、ポスターの住所を認識してワンボタンでナビゲートできる。
小芸は理解力が高まっただけでなく、要約や文書作成サポートの機能も備わった。さらに、マルチモーダルAIと大規模言語モデルを活用して既存の画像をカスタマイズできる「画像で遊ぶ」機能も搭載された。
今回発表されたHarmonyOS 4はグラフィック、マルチメディア、メモリ、スケジューリング、ストレージ、低消費電力などの水準が大きく向上した。
ファーウェイによると、HarmonyOS 4は前のバージョンに比べて操作性が約20%向上し、バッテリー駆動時間が約30分延びたという。また、一般的な操作の反応速度も改善され、カメラの起動速度は約57%上がった。
HarmonyOS 4はデバイス間の情報共有も強化された。より多くのアプリやシーンに対応し、ファイルプレビューやクリップボードのコンテンツ検索といった実用的な機能を追加することで、ユーザーの情報収集をサポートしている。スマホだけでなく、タブレットやPCもサポートし、デバイス間共有の効率を高めた。
ファーウェイが後押しするスマートEVブランド「AITO」の「問界」シリーズでは、HarmonyOSスマートコックピットがより多くのデバイスとシーンでコンテンツ共有を可能にする。画面共有機能を使って車内の前後の座席で同時に映画を鑑賞したり、車載スクリーンにスマホのモバイルゲーム画面を映したり、車載スクリーンを使って車内からドローンを操作したりできるという。
スマホ「P60」シリーズなどの34製品については、今月4日からHarmonyOS 4バプリックベータ版へのアップグレードが始まった。スマホ「P40」シリーズなどの35製品については、ファン・コミュニティ向けにベータ版への参加を募っているところだ。スマートウォッチ、スマートディスプレイ、ルーターなどのアップデートは年内に予定されている。
(翻訳・大谷晶洋)
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