中国系ライドシェア企業はナイジェリアで急成長、バス配車サービスの「GONA」は数億円を調達

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ナイジェリアでライドシェアを手掛ける「GONA」がプレシリーズAで数百万ドル(数億円)の資金調達を完了した。出資者は「清流資本(Crystal Stream Capital )」「九合創投(UNITY VENTURES)」および地元VCの「Shaka Ventures」。

もともとモバイル決済会社であるGONAは、西アフリカ最大の都市ラゴスで、区間運行バスの運営および乗車賃の決済サービスを提供している。旧首都のラゴスは、「アフリカの上海」ともいわれる人口2000万超の経済都市だ。GONA創始者兼CEOの劉暁軍氏は、「市中心部の住宅は高額なため、多くの人々は郊外に住み、バスを乗り次いで市内へ通勤している。彼らにとって小型の区間運行バスは、日常的に利用するもっとも重要な交通手段のひとつで、一定の需要が見込める」と説明する。ここでいう小型バスとは、ワンボックスカーやミニバンタイプで、最大14~18人が乗車できるものだ。

ラゴスにおけるバス事情には、以下のような問題がある。

■時刻表不在:小型バスの多くはドライバーの個人運営。乗客が集まるのを待ち出発するため発車時刻が不定期だ。乗客は運行スケジュールが分からず、需要と供給を効率よくマッチングさせるのは難しくなっている。

■釣銭不足:乗車賃を支払う際、大きい紙幣しかなければ釣銭が必要になる。細かい現金の用意が面倒なためドライバーが釣銭を渡さないこともある。

こういった問題を解決するため、GONAは利用者の多いルートを選んで車両を手配、区間バスとしての循環運行を始めた。ユーザーはアプリでバスの現在地を確認、バスが乗車地に到着するタイミングが把握できる。乗車賃の支払いには、銀行口座振替か小売店で購入したプリペイドカードが使えるほか、独自のGONAコインを使った決済も推奨している。

アフリカのスタートアップ業界では、モビリティサービスが活況だ。海外メディアによると、米ウーバー、エストニアの「Bolt(旧名:Taxify)」、ロシアの「inDriver」、エジプトの「Swvl(スエフル)」など50社を超えるライドシェアや配車サービス企業がアフリカでサービスを提供しているという。セダン車を用いるUber、Bolt などのタクシー形式と違い、乗り合いバスの体裁をとったGONAのサービスは、ラゴスの人口の80~90%がターゲットになるという。同じくバスのライドシェアを手掛けるSwvlは、主にアフリカ北部と東部でのサービスを展開する。

停車ポイント(バス停)の存在はドライバー希望者と乗客に対するプロモーションとなり、その周囲のオフィスビルや工場などに認知が広がっていく。同社によると現時点のデイリーアクティブユーザーは数千人、1日の乗車回数はのべ1万回に迫るという。

今回調達した資金は、組織構築と技術のアップグレードに充てる。今後は東アフリカのITスタートアップ市場であるケニアで展開する計画もあると劉氏は語った。

同社は中国とアフリカに拠点を置き、コアメンバーはファーウェイ(華為科技)のアフリカ法人、ライドシェア企業滴滴出行(Didi Chuxing)や米モルガン・スタンレーなどの出身者。復旦大学、米コーネル大学、ニューヨーク州立大学、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)などを卒業している。
(翻訳:貴美華)

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