トップVC「Chiratae」が語るインドの投資チャンス 「今がよいタイミングだ」

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トップVC「Chiratae」が語るインドの投資チャンス 「今がよいタイミングだ」

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インドのベンチャーキャピタル(VC)「Chiratae Ventures」 は、昨年の社名変更前の「IDGインド」という名称の方がより知名度が高い。

2006年に設立されたこのVCは、インドで最も歴史の長いグローバルVCの1つだ。投資している70社以上の企業には、ユニコーン企業もしくはそれに近い人気企業がある。例えば、インドのトップECサイト「Flipkart」、ソフトバンクも投資している眼鏡会社「Lenskart」、健康管理プラットフォーム「CureFit」、インド最大の保険プラットフォーム「Policybazaar」、インド最大のママ・ベビー用品のECサイト「Firstcry」等が挙げられる。

Chirataeのパートナー、Karan Mohla氏は、2010年に元IDGインドに入社し、インドで9年間VC事業を経験した。Mohla氏によると、インドでは、ホットマネーが入り企業の価値が過大評価されたり、ビジネスモデルが持続できないことにより企業が大量倒産した時期もあった。現在は、一部の大手企業で事業規模とスピード感を経験した人たちが起業しており、そういった企業の成長スピードが加速している。今はインド投資のよいタイミングだと言えるという。

図 | Karan Mohlaパートナー

現在Chirataeは、インドで最も成功しているEC分野の投資機関として、新興ECプラットフォームに最も注目している。以下に、36KrがMohla氏に行った取材内容の一部を紹介する。

ーーグローバル的にインド市場に興味をお持ちだといういうことですが、なぜ今インドなのでしょうか。

「過去2~3年で、インドは変化した。まず、大手企業が現れ、企業の成長スパンが短縮され、資金需要も減少した。インターネットのユーザーが増え、現在、6億人超のインド人がインターネットを使用している。そのうち、4億人が4G環境だ。また、インドの人口の2/3は35歳以下であるため、年齢層が若く、消費意欲が強い」

「また、インドは世界レベルの技術と製品を開発し始め、一部のインド企業はグローバル市場に参入している。これらの要因により、今はインド投資のよいタイミングだと思われる。インドは市場規模の観点から、唯一中国と比較可能な国で、かつオープンで若い市場だ。経済成長も速く、人々の消費力も高い」

ーーインドへの投資というトレンドは長く続くと思いますか。

「私には自信がある。インドでは、最初は米国モデルをコピーした会社が多く、その後、中国モデルをコピーする会社もでてきた。今は中小企業や郊外/農村の消費者向けサービスを提供している企業が現れている。彼らはインド特有の問題を解決することを目指し、数十億ドル(約2000~1兆円)の企業価値があると思われる」

「例えば、電動バイクスマートシェア企業の『Bounce』がある。中国ではスマートシェアサイクル業者の『摩拜単車(Mobike)』と『オフォ(ofo)』の失敗事例があったため、最初は『Bounce』の事業に対しても懐疑的だった。しかし、『Bounce』はインドで成功している。インドは、最大の電動バイク市場であり、有名国産ブランドが多数あり、価格も安い。現在、『Bounce』は、インド南部のバンガロールでの使用回数が7.5万回/日、月次成長率が30%で、損失は発生していない」

ーーこのような人気のある市場で、創業者と投資家は多額のリターンを得ていますか。

「4、5年前は、インドでは投資回収の事例が極めて少なかった。また、投資の回収手法として、持ち株を大手PEか戦略投資者に売却することが主流だ。IPOは少ない。それは、インド企業がインドで上場する場合、6~8四半期の黒字状態が必要だからだ。また、インドで登記した企業はインドで上場しなければならないため、海外上場も難しい」

ーー今年はどのような投資チャンスに注目すべきでしょうか。

「一つ目は、新しいプラットフォーム。『Flipkart』やアマゾンは、1億人のユーザーを集めるまでは順調だったが、現在、新しいECプラットフォームが現れ、ソーシャルメディアを通じてユーザーを集めている。提供する商品はノーブランドで、ロングテール性があり、利益も高い。彼らはローカル的な販売方法をとっている」

「『Flipkart』やアマゾンもローカル言語によるサービスを行っているが、英語のロジックで思考できないユーザーにとっては使いづらい。このようなユーザーらはソーシャルメディアをより信用し、ブランドものの携帯電話や洋服以外の買い物は、新しいECプラットフォームでする傾向にある」

「二つ目はコンシューマーブランド。インドでは、ECとオーガナイズド・リテイル(組織的小売)がまだ浸透していない。多数の消費者にとっては、新しいブランドやより個性的な商品のほうが魅力的だ。コンシューマー製品の分野では一部の企業が素晴らしい商品を出しているため、もしブランディングと配送の問題を解決できれば、投資者にとっては魅力的な会社になる」

「三つ目は、個別分野の総合的プラットフォーム。例えば、教育、医療、人材募集等のサービスや商品を提供するものだ。OYOはこの分野でチャンスを掴んで、発展している一例だ」

ーーインドではほとんどの起業者や投資者がインド市場にかなり楽観的な姿勢を示していると聞いていますが、何か気を付けるべきことや理性的に考えるべきことについてアドバイスがありますか。

「インド市場では、価値の過大評価が時々ある。私たちはある程度、現実的に状況を見るべきだと考える。過剰なキャピタル支援をせずに、基礎もできていないうちに成長を急がせることはしない。また、投資の回収が難しいため、大規模なVCは投資回収手法を確立しておき、継続的にリターンを回収すべきだ。米国や中国では、ベンチャー企業を合併もしくはそれらに投資できる大手企業が多数あるが、インドにはそのような会社が少ない」
(翻訳:小六)

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