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太陽光発電を導入したゼロカーボン産業パークの運営を手がける「江蘇光宇兆能新能源科技」(以下、光宇兆能)がシリーズAで1億2000万元(約25億円)を調達した。出資は宇業集団(U-Home Group)が主導し、裕同包装科技(YUTO Packaging Technology)や鐳目科技(Ramon Science & Technology)などが参加した。
2021年に設立された光宇兆能は分散型太陽光発電所の建設を中心に、ゼロカーボン産業パークの推進を図る新エネルギー開発企業だ。
同社は主にゼロカーボン産業パークを建設し、構内に分散型太陽光発電所、太陽光発電・蓄電・充電一体型駐車場、風力・太陽光発電相互補完照明システムなどの統合型エネルギーシステムを構築している。事業主の企業は敷地を用意するだけで、同社が投資、開発、建設、送電、維持管理など一連のサービスを請け負う。太陽光発電所で発電した電力は企業に直接供給され、その電気料金は一般的な電力網を使う場合の8割ほどにとどまるという。さらに蓄電設備を配置すれば、発電システムが「電気料金の安い時間帯は蓄電所に充電し、電気料金が高い時間帯は放電して企業の生産に充てる」ことで、企業の電気使用コストを削減できる。
光宇兆能は2023年8月時点で江蘇省、安徽省、浙江省、山東省、湖南省、湖北省、広東省などに子会社を設立しており、運営するゼロカーボン産業パークは50カ所以上、所有する分散型太陽光発電所の容量は70メガワット、建設・計画中のゼロカーボン産業パークは100カ所以上となった。23年末までに、ゼロカーボン産業パーク200カ所以上を運営し、分散型太陽光発電所の容量を150メガワット以上、太陽光発電・蓄電・充電一体型駐車場を100カ所にすることを目指す。
同社は株式を保有するTier 1(一次請け)モジュールメーカーの「セラフィム(賽拉弗)」を通じて、強固な産業チェーンを構築している。2011年に設立されたセラフィムは、世界7カ所に生産拠点、25カ国にオフィスを有し、モジュール生産能力が12ギガワットに上る。光宇兆能はセラフィムと共同で、面積の制約がある企業や工場の屋上、住宅の屋根向けに多くのスマートソリューションを開発しており、Maximのセルストリングオプティマイザー、Tigo(タイゴ)のスマートモジュール、SolarEdge(ソーラーエッジ)のオプティマイザーを搭載することでシステム設計の柔軟性と互換性を高めた。
光宇兆能は中国国内で発電所の建設をベースに、傘下および提携企業のプロジェクトから生まれる需要に応じてコンポーネント、インバータ、ラック、ケーブルなどの関連製品を取引している。海外では東南アジアと欧州の太陽光発電ニーズの急速な拡大に着目し、香港、ミャンマー、スペイン、スイス、フランスに貿易・投資会社を設立。また、フランスのマルセイユ、オランダのロッテルダムなどに倉庫を設け、現地の企業や住宅所有者に総合的な太陽光発電システムを提供している。
今回の出資を主導した宇業集団は、中国政府が脱炭素化の取り組みを進める中、企業の電力使用による経済効果と環境保護効果が新たな意味で試されているとの見方を示した。その上で、光宇兆能のビジネスモデルは企業のコスト削減と効率向上、環境に優しい発展の実現、ブランド力の強化を後押しできると評価する。光宇兆能は中国で急成長しているほか、東南アジアや欧州など海外市場への進出によっても事業を急速に拡大していることから、先行きは明るいと見ている。
(翻訳・大谷晶洋)
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