進化し続けるマッチングアプリ ショートビデオ機能も登場 

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進化し続ける中国のマッチングアプリ ショートビデオ機能も登場 

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ソーシャルマッチングでは、新サービスが次から次へと登場する。

最近36Krが注目しているのは「点心(dianxin)」というサービスだ。これは「00後」(2000年代生まれ)向けのソーシャルメディアで、主要機能は出会い系サービス。ユーザーは短い動画を撮り、好きなBGMを選び、動画に自分の感想などを追加することができる。動画撮影をしなくても、写真をアップすると、システムにより自動的にGIFに変換することができる。

ユーザーが発信したい内容のボイスメールを録音すると、システムが自動的にGIFを選定してくれる機能もある。公開後、ほかのユーザーのコメントが弾幕(画面上に文字で表示すること)で表示される。

「点心」は、ショート音楽動画コミュニティ「Tiktok」と音楽アプリ「楽趣」が融合したようなもので、お互いに興味を持ったユーザー同士でチャットすることができる。

創業者の安明威氏は、ユーザーが好む情報との接触方法がショートビデオに移ったため、コミュニケーション方法もアップグレードしたと語る。なかでも、特に自己主張の強い「00後」がその傾向にあるという。

「Tiktok」のようなショートビデオ投稿サイトに対し、ほとんどのユーザーは一時期夢中にはなるが、その後空虚さを感じることが多い。一般ユーザーが配信者と緊密な繋がりを持つことも難しい。

「点心」の目標は、ユーザーがショートビデオによる自己表現を通じて、深く付き合える相手につながることだという。無駄なソーシャルネットワーキングの減少、また、安全性向上のために、Face ID機能が加えられ、なるべく偽アカウントをなくそうとしている。

「点心」を運営するまで、当該チームは「Faceparty(脸趴)」というアプリを開発していた。このアプリではオンラインミニゲームを通じて、同時に多人数のオンラインビデオ通信ができる。安明威氏は中国検索エンジン最大手「バイドゥ(百度)」の出身で、当時、海外で「Monkey」のようなビデオソーシャルメディアの人気が高いことに気づいたが、バイドゥ社内でのプロジェクト推進が遅いため、自ら起業することにしたという。

Facepartyは半年余りでユーザー数100万人を突破したが、その後の成長は鈍かった。ビデオ通信には制限があるため、週末にしか利用しないユーザーがほとんだだった。日常的に使える商品になれないため、ユーザーに忘れられるリスクが高い。また、多人数のオンラインビデオ通信に強力なサーバーが必要となり、コストが高いのもネックだった。Facepartyはお笑い系コミュニティアプリ「最右(ZUIYOU)」の創業者の李金波氏や「青松基金(Qingsong Fund)」から数千万元(数億~十数億円)の資金を調達できたが、成長が追いつかなかった。

慎重に検討した結果、2018年8月にFacepartyの運営は中止されることとなった。開発チームは「点心」の開発に転身し、「点心」はローンチして約半年後の登録ユーザーが30万人を超えた。ユーザーは、中国の二級、三級、四級都市の若者が中心となっている。平均的な使用時間は20分間/日で、翌日の再ログイン率は60%だ。

ユーザーを増やすため、開発チームは100人以上の学生バイトを集め、オンラインプロモーションのための動画制作を行っている。1日当たり1万以上の動画を公開し、再生回数は300~500万回だ。同社は、この宣伝手法により、コストを抑えることができている。

開発チームのメンバーについて見てみると、創業者の安明威氏はかつてバイドゥのコミュニティサイトの「百度貼吧(Baidu Tieba)」のプロダクトマネジャーで、同サイトのショート動画商品運営に携わっていた。共同創業者の黄祺氏は元「Tiktok」の初期開発エンジニア、バイドゥとソニー中国研究院、動画配信サイト「楽視網(tv.le.com)」等を経て現職。共同創業者の陳金亜氏は元バイドゥのシニア開発エンジニア、共同創業者の馬継徳氏は元バイドゥ傘下の「糯米(nuomi.com)」シニアオペレーティングマネジャー。
(翻訳:小六)

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