中国EV大手「NIO」、車載電池「蜂巣能源」と合弁会社設立へ 円筒形電池を共同開発

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中国EV大手「NIO」、車載電池「蜂巣能源」と合弁会社設立へ 円筒形電池を共同開発

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電気自動車(EV)メーカー「蔚来汽車(NIO)」が車載電池メーカー「蜂巣能源科技(SVOLT Energy Technology)」と合弁会社を設立する準備を進めており、共同で大型円筒形電池を開発するという。NIOと蜂巣能源は試作ラインに投資し一部の開発担当者も統合するが、製造と仕入れはそれぞれで行う。複数の業界関係者が明らかにした。量産は2025年を見込んでいると話す関係者もいる。

これまで自動車メーカーと電池メーカーの提携は財務や仕入れでの協力が主流で、BMWなどのコア技術を保有する会社はOEMモデルのように電池メーカーに生産を依頼してきた。両社が共同開発して成果を共有するような提携モデルはまだ例がない。

これはNIOが電池の内製化に挫折したためのやむを得ない試みだ。

リチウムや駆動用電池の価格高騰を受けて、NIOは昨年から電池の製造を始めた。今年2月に開催した電池技術パートナーフォーラムで、李斌会長兼CEOは電池開発チームが800人を超え、開発に毎年10億元(約200億円)以上投入すると明らかにしていた。さらに安徽省合肥市に年産能力40GWhの大型円筒形電池工場を建設する計画を発表した。NIOは業界でも量産の例がほとんどない大型円筒形電池に賭けたが、開発で目立った進展はない。今回、蜂巣能源と手を組むことで、双方の開発資源を集約してできるだけ早く量産にこぎつけようとしている。

車載電池には円筒形、角形、ラミネート形の3種類がある。大型円筒形は円筒形を進化させたもので電池の材料、形状や体積などを変えて全体的な性能を高めている。テスラは2020年9月、他社に先んじて大型円筒形電池「4680」を発表した。直径46mm、長さ80mmの電池で、既存の電池セル「2170」よりエネルギー密度が5倍、航続距離は16%向上したとイーロン・マスクCEOは説明している。

大型円筒形電池ならエネルギー密度をさらに高めることができ、大規模量産にも適している。さらに重要なこととして、電池メーカー最大手CATL(寧徳時代)が長きにわたり角形電池分野で王者として君臨するなか、大型円筒形電池ならば食い込むチャンスがあることだ。テスラに続き、LG化学、パナソニック、億緯鋰能(EVE Energy)、エンビジョンAESC(遠景動力)、蜂巣能源などの国内外電池メーカーも一様に同製品を開発した。業界関係者は「4680を製造しない電池メーカーはない」と語っており、新たに電池製造に加わったNIOももちろん例外ではない。

しかし、大型円筒形電池の開発と量産は容易ではない。大型円筒形電池はセルの製造プロセス、設備の購入から生産ラインの構築、さらには量産、応用など一連の難しい問題を克服しなければならない。少量生産で出荷しているテスラでも、エネルギー密度やサイクル寿命の改善、タブの溶接など技術的な問題で壁にぶつかっている。

今回の提携先に選ばれた蜂巣能源は自動車メーカー長城汽車(Great Wall Motor)から独立し、ここ2年で台頭してきた電池サプライヤーだ。今年上半期、中国での電池搭載量は2.34GWhで、業界7位だった。蜂巣能源の製品は角形電池だが、大型円筒形電池の技術も保有する。今年の上海モーターショーではエネルギー密度300Wh/kg 、4C急速充電が可能な大型の「46950電池」を展示した。

大型円筒形電池の生産はやや特殊で、極めて高い生産効率が実現できる。生産能力の設計上通常なら毎分100個以上が可能だが、現在の角形電池は毎分60個だ。つまり、大型円筒形電池は大量生産して初めて技術の優位性が発揮される。NIOと蜂巣能源の提携が大規模化や効率化を進めるうえでプラスに働くことは明らかだ。

(翻訳・36Kr Japan編集部)

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