ファーウェイの5Gモデム内蔵プロセッサ「Kirin 990」、最新の「Mate 30」に初搭載

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ベルリンで開催中の欧州最大の家電見本市「IFA2019」で6日(現地時間)、ファーウェイが5Gモデムを内蔵したSoC「Kirin 990」を発表した。同社コンシューマー事業部CEOのリチャード・ユー(余承東)氏が、基調講演でその詳細を明かした。

今回発表されたKirin 990は4Gモデム内蔵と5Gモデム内蔵の2種類。後者は5Gモデム「Balong 5000」を搭載しており、既存製品では4G向けプロセッサと5Gモデムを組み合わせて機能させるところを、単体で5Gに対応させられる。さらに、現行の4Gコアネットワークを経由するNSA(ノンスタンドアローン)と、5Gネットワークを単独利用するSA(スタンドアローン)の両方に対応している。

同製品は今月19日にミュンヘンで発表される予定の最新フラッグシップ機種「Mate 30」に搭載されるという。

Kirin 990はその他にも多くの「世界初」を実現している。7nmプロセスおよび極端紫外線リソグラフィ(EUV)を用いて生産され、5Gモデムを内蔵したことで競合他社製品と比較して36%の小型化に成功。手の爪ほどのサイズのチップセットに103億のトランジスタを集積させている。

中国工業情報部は、2020年1月1日以降、すべての5G端末にNSA方式とSA方式に対応する5Gデュアルモードの実装を義務付けている。5Gの普及初期にはNSAで対応し、普及が進んだ際にはSAで対応できるようにとの目的だ。5G実用化当初は基地局も少なく、電波が微弱な場所が存在することは避けられない。そのような環境下でライブ配信を行ったり、動画をアップロードしたりする場合は4Gネットワークを併用して、伝達効率を5.8倍にまで高めることができる。

Kirin 990のAI専用チップは、先代製品よりもコアの数を増やしている。ビッグコア二つに加え、タイニーコア一つの計三つを搭載することで、重いデータを処理する場合はビッグコアを、軽いデータを処理する場合は省電力のタイニーコアをと使い分け、効率を高めている。

今年第3四半期は、5G対応機が続々と市場に登場するとみられる。ファーウェイ、ZTE、vivoはすでに国内市場で5G対応機を発表しているが、シャオミ(小米科技)やOPPOも近くこれに追随するとみられる。中でも、Kirin 990を搭載したファーウェイのMate 30は注目を集める存在となるだろう。

中国の通信産業に詳しい項立剛氏は、今年の中国市場における5G対応スマートフォンの出荷台数を約500万台と予想する。もし近く発表されるMate 30が5G対応機であるならば、1000万台超えの可能性もあるとしている。
(翻訳・愛玉)

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