テスラがバッテリーの自社生産へ パナソニックとの亀裂埋まらず

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テスラがバッテリーの自社生産へ パナソニックとの亀裂埋まらず

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テスラがバッテリーの自主生産に踏み切った。すでに関連人材の募集も始めており、募集要項には「当社は現在、建設中の生産ラインでエンジニアを募集しています。(採用された)あなたは新たな製品ラインナップの一端を担うことになります」と書かれている。テスラがバッテリー生産ラインについて正式に言及したのはこれが初となる。募集情報によると、生産ラインはカリフォルニア州フリーモントに建設される予定だ。

テスラは今年2月、バッテリー技術会社の米マックスウェル・テクノロジーズを買収したほか、直近の報道によれば、フリーモントの実験室においてバッテリー製造設備を生産中であるという。同社はこの半年間、バッテリーの生産が自動車の生産能力に影響を与えており、バッテリー生産ラインを自社で建設する計画があることにつき度々言及してきた。

イーロン・マスクCEOも6月に行われた株主総会で、「バッテリーの生産規模がテスラのEV生産を制約する要因となっている」と語った。同社の元CTO(最高技術責任者)であるJ.B.ストローベル氏も「我々には大規模なバッテリー生産ソリューションが必要だ」と補足している。ストローベル氏はテスラ在職中、バッテリー業務の主要責任者を務めていた。

これまで長らくテスラにバッテリーを供給してきたのはパナソニックだ。テスラとパナソニックは2014年7月に「ギガファクトリー」に関する協業を発表し、両社は共同で工場を建設した。パナソニックはネバダ州にあるテスラのギガファクトリー1に生産ラインを設置し、「モデル 3」向けにバッテリーを供給してきた。同社はトヨタやホンダにもバッテリーを供給している。

しかし、2018年以降にModel 3の納車ペースが加速し、パナソニックの生産と経営に与えるプレッシャーが徐々に高まったことで、両社は生産能力をめぐり、たびたび対立するようになった。パナソニックの立場からすれば、EV(電気自動車)市場全体の出荷量が自社の予測に達していないため、リスクを負ってバッテリーの生産能力を拡大することは本望ではない。一方でテスラ側としては、パナソニックがモデル3の生産能力拡大を阻む足かせだと考えているのだ。

テスラは8月、韓国のLG化学との提携を発表した。同社は中国で生産するテスラEVにバッテリーを供給することになる。これはパナソニックとの提携が終了に向かう兆しともいえるもので、ここに来てさらに自社生産計画も浮上したというわけだ。

テスラがバッテリーの自社生産を決めたのは、コスト面に加え生産能力によるところが大きい。バッテリーの生産ラインを自社で建設すれば、バッテリーのサプライチェーンを含む各種要因がEVの生産に与える影響を段階的に引き下げることができ、それによりグローバル市場の拡大トレンドにも対応できる。さらに、バッテリーの自社生産に成功すれば、外部サプライヤーや提携パートナーとの間で関連データやリソースを共有する必要性もなくなる。

テスラがマックスウェル社の買収において着目したのは、同社の有するトップレベルのドライ型電極技術だ。マックスウェルのバッテリーのエネルギー密度はテスラのものを20~40%上回っているため、テスラは今後、自社のバッテリー密度を40%から140%まで引き上げ、EVの航続距離を大幅に延長できる可能性がある。またマックスウェルのバッテリーでは溶剤を使用しないため、走行中の環境負荷もより軽減される。

冒頭の募集要項によれば、早ければ来年初頭には自主生産されたバッテリーが完成車に投入されることになる。
(翻訳・神部明果)

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