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シェアサイクル大手「ofo」は、自転車の「乗り捨て自由」スタイルをやめ、返却する際の駐輪ポート(サイクルの専用駐輪場)の運営を北京市で開始したと発表した。2万カ所に及ぶ駐輪ポートが深圳に続いて北京でも本格稼働となり、様々な駐輪シーンに対応したサービスを提供する。
同社関係者によると、ofoの初期の駐輪ポートは「P」の看板があり、そこに駐輪用器具が設置された駐輪場所等が固定的なものだった。しかし、今回は、「P」マークのプレートが付いている1台のofo自転車が地面に固定されており、その周りが駐輪可能なスペースとなっている。さらに、この新型駐輪ポートは、1カ所の駐輪台数と駐輪ポートの分布状況などを需給関係によって調整することが可能。ユーザーが返却する際、道路状況とシェアサイクルの利用データによって返却スポットが決定される仕組みだという。
ユーザーは自転車を返却する際、アプリとGPS機能などによって返却スポットを検索すればよい。指定された場所に返却しなければ、ルール違反と見なされる。初回のルール違反では「管理手数料」は徴収されないが、違反であることを通知するショートメッセージが届く。たび重なるルール違反をした場合には、最高で20元(約300円)の管理手数料が徴収される。
デポジット返金騒動から半年、ofoにとってこの新型駐輪ポートは、運営コストを下げるための何よりも重要な施策だ。今年春、北京市延慶区で試験的に導入され、8月末には広東省広州市の一部と深圳市全域に導入されたと同社は発表している。
同社の関係者によると、この新型駐輪ポート導入後、シェアサイクルの利用率は上がり、駐輪マナーの改善にも効果があったという。広州市では、新型駐輪ポートによる運営の開始後約2週間で、稼働自転車の駐輪率が50%未満から25%上がり、ルール違反によるペナルティーの発生率は以前の20%から半減した。
しかし、この新型駐輪ポートよりもユーザーの関心が高いのは、自転車そのものである。北京市交通委員会のデータによると、2019年上半期、北京市内には12万900台のofo自転車が今なお放置されたままだという。このデータの裏付けは難しいが、実際に北京市内では最近ofoの自転車をあまり見かけない。先の関係者の話では、新型駐輪ポートの運営開始にあわせて、ofoは古い自転車を回収し、保守メンテナンスをおこなった後に再度市場に投入する予定だという。
ofo自らによる再生策は続くが、シェアサイクル市場の構図はがらりと変わってしまった。もともとofoのイメージカラーといえば黄色だったが、今ではO2Oサービス大手「美団点評(Meituan Dianping)」に買収された「モバイク(摩拜単車から美団単車に改名)」も黄色に変身している。また、ライドシェア大手「滴滴出行(Didi Chuxing)」に買収された「小藍単車(Bluegogo)」が「青桔単車」に名称を改めて北京の市場に参入した。「哈囉出行 (ハローバイク)」も北京のシェアサイクル市場を狙っている。
(翻訳:貴美華)
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